アシックスが初のスマートシューズ 走りを1歩単位で分析、走行中に改善点をアドバイス
アシックスが、同社初のスマートシューズ「EVORIDE ORPHE」の予約販売をスタート。価格は、センサーとシューズがセットで3万1500円(税別)。
アシックスは7月21日、同社初のスマートシューズ「EVORIDE ORPHE」(エボライド オルフェ)の予約販売を、クラウドファンディングサイト「Makuake」で始めた。シューズ内部のセンサーが走り方の情報を1歩単位で収集し、スマートフォンに送信。これを基に、専用アプリ「ORPHE RUN」(iOS/Android)がリアルタイムで走り方のアドバイスを行う。価格は、センサーとシューズがセットで3万1500円(税別)。
クラウドファンディングの目標額は300万円だが、21日午後7時半までに150人超の購入者から約450万円を集めている。
ソール内部に搭載されたセンサー「ORPHE CORE 2.0」が、走行距離、歩幅、足が着地する際の角度や衝撃などを1歩単位で計測し、Bluetoothでスマートフォンに送信。これをORPHE RUNが独自のアルゴリズムで解析し、(1)地面を蹴る力、(2)前に進む時の力の使い方、(3)着地時のブレーキの強さ、(4)着地時に足にかかる衝撃、(5)関節への負荷──の5項目で走り方を評価する。
評価の低い項目があれば改善する方法を提案し、ランニング中に音声でアドバイスする。例えば、地面を蹴る力が弱いランナーには歩幅を広げるように、地面を蹴る力を効率的に推進に使えていないランナーには、姿勢を前に傾けて走るように助言するという。
ランニング後には、走り方の最終的な評価を片足ごとにグラフや文章で可視化。その結果に合わせ、走り方の改善に適したトレーニングの動画も表示する。走り方の分析と助言を行うアルゴリズムは、アシックスが集めたさまざまなランナーの走行データに基づいて開発した。
アシックスの原野健一執行役員は、スマートシューズ市場に参入を決めた理由について「多様な顧客それぞれに最適な価値を提供する手段として、デジタル技術を用いたパーソナライゼーション(が可能なスマートシューズ)が適していたため」と話す。
同社は今後、パーソナライゼーションを強化した製品やサービスの提供を進める方針。原野役員は「EVORIDE ORPHEは新しい価値の第一歩。将来は、アシックスの全てのランニングシューズにセンサーが導入されている状況を作りたい」と話している。
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