予約できるトイレ、相鉄が実証実験 行列の“密”回避に
横浜駅西口の「相鉄ジョイナス」で予約制トイレの実証実験が始まる。LINEを使ってスマホからトイレの利用状況を確認、予約できる。
相鉄グループの相鉄ビルマネジメントは7月29日、横浜駅西口の商業施設「相鉄ジョイナス」で予約制トイレ「QREA」(クリア)の実証実験を行うと発表した。LINE公式アカウントを通じ、スマートフォンから施設内のトイレを予約できる。実験期間は30日から8月30日まで。
LINEの公式アカウントにはチャットBot「QREA Bot」を用意。利用者がトイレを予約したいと伝えると使用状況を表示し、空いていればその場で予約する。トイレまでの行き方や周辺の写真なども表示できる。
予約が完了すると個室はリモートで施錠(電子錠)され、利用者を待つ。利用者はQREA Botが表示したボタンを押して鍵を開ける仕組み。利用をキャンセルしたり、予約から10分が経過したりすると自動で開錠する。
実証実験は相鉄ジョイナス地下2階エレベーター前にあるトイレ(男女各1個室)のみを対象としているが、QREAを開発したDuchamp(佐賀県佐賀市)の佐藤卓哉CEOによると、複数のトイレに導入した場合、空いている個室の検索も可能になるという。
「QREAは全国に1200万人いるとされる過敏性腸症候群の方々を主な対象として開発したもの。トイレに向かう前に空き状況が分かり、最短時間でトイレを利用できる。トイレ前の混雑解消にもつながる」。コロナ禍においてトイレ待ちの行列など“密”を避ける効果も期待できるという。
ただし、誰でも予約できる状況では濫用やいたずらといった問題が生じる可能性もある。このため実用化に向けては予約サービスの有料化を検討するとともに、スマホのGPSを利用して予約できるエリアを制限する機能の開発も進めているという。
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