神戸市と埼玉県、TikTokの利用を中断 市民から不安の声 広島県、東京都などは継続
神戸市と埼玉県が、安全保障上の理由でTikTokアカウントを停止した。市民から不安の声があったという。一方、広島県や東京都はTikTokを使った広報を継続する方針を示している。
神戸市と埼玉県はこのほど、中国ByteDanceの動画共有アプリ「TikTok」(iOS/Android)を使った広報活動を取りやめた。米ドナルド・トランプ大統領が7月31日(現地時間)に「安全保障上の問題がある」として、米国でTikTokの使用を禁止する計画を海外メディアに話した。これを受け、「市民から不安の声があった」(神戸市)という。
神戸市は5月20日にByteDanceと連携協定を結び、TikTokで情報発信をしてきた。市は米中摩擦の影響によって市民から不安の声を受けたことから、公式アカウントを8月3日に停止。同じく6月にByteDanceと連携協定を結んだ埼玉県も、7月中旬に県の公式アカウントを停止。停止の理由については「中国に個人情報や行政情報などが流出するのではないかとの県民の懸念の声があったため」(埼玉県)と説明している。
一方、2月からTikTokを使った広報活動を始めた東京都や、4月にTickTokアカウントを開設した広島県などは、現時点でTikTokの使用を停止する予定はない。
東京都はByteDanceと協定を結ばずにTikTokを活用した情報発信を行っている。都はITmedia NEWSの取材に対し「今のところすぐに運用を止める予定はなく、状況を見ながら対応していく」と話した。広島県も「政府から中止を求められておらず、若年層に有効な広報手段として利用は続ける方針」という。
2019年11月にByteDanceと協定を結んだ神奈川県は、アカウントは停止しないが、3月から動画のアップロードを取りやめている。県はITmedia NEWSの取材に「安全性が確認できるまでは動画を上げない」と答えた。
ByteDanceを巡っては、米Microsoftが8月2日(現地時間)、ByteDanceの米国法人を買収する方向で検討を始めたと発表。今後の動向がTikTokの運営体制などに影響する可能性がある。
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