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楽天モバイル、基地局設置は「5年前倒しで進行」 21年夏には人口カバー率96%目指す

楽天モバイルは、2021年夏ごろに基地局を2万7397局を設置できる見込み。三木谷社長は進捗(しんちょく)について「5年前倒しで進んでいる」としている。

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 「分かりやすく言えば、(基地局の設置が)5年前倒しの計画で進んでいる」──楽天の三木谷浩史社長は、8月11日に行った決算会見で、楽天モバイルで使用する通信網の整備状況についてそう話した。当初は2026年3月末をめどに完了する予定だった「人口カバー率96%(2万7397局)」という目標を「21年の夏ごろ」には達成できる見込みという。

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楽天の三木谷浩史社長

 三木谷社長は「基地局の建設が遅れているのではないかとご心配をおかけしていたが、爆発的なスピードで進行している」としている。20年6月末時点で設置が完了している基地局の数は5739局(人口カバー率は非開示)。21年3月末までには人口カバー率70%(局数は非開示)に到達する予定。

基地局設置の前倒しがサービスや業績に与える影響は

 楽天モバイルは、自社のネットワークでカバーしきれないエリアではKDDIのローミングを利用している。しかし、自前の基地局による人口カバー率が70%を上回った時点で、KDDIからのローミング提供を受けられなくなる契約も結んでいる。

 基地局の設置の前倒しが、ローミングの終了時期に影響を与える可能性については「詳細は答えられないが、ユーザーに迷惑が掛からない形で、どこでも(通信が)つながるサービスを展開していく」(廣瀬研二CFO)と説明している。

 楽天は、携帯キャリア(MNO)事業を24年3月期末までに黒字化する計画。基地局の設置を前倒しすることで、黒字化が早まる可能性については「(黒字化の)タイミングが早まることはないかもしれないが、将来的な売り上げや会員獲得に関してはプラスになる」(三木谷社長)としている。

 楽天モバイル全体の累計契約申し込み数は、20年6月末の時点で100万回線に到達。三木谷社長は「そんなもんかなという感じ。あまりにも爆発的にユーザーが増えるとローミング費用もかかってしまうので、今後も程よいところで行きたい」としている。5月に延期を発表した5G通信サービスは、9月末をめどに参入する予定。

 楽天モバイルはスマートフォン「Rakuten Mini」の対応周波数帯を事前に消費者などに伝えることなく無断で変更し、電波法で定められた認証を受けていない状態で製造・販売したとして、20年7月10日に総務省から行政指導を受けていた。17日には公式サイトで誤ったメンテナンス情報を告知するなどトラブルが続いていたが、会見での言及はなかった。

 同日に楽天が発表した21年12月期第2四半期累計(20年1~6月)の連結決算は、売上高が6788億円(前年同期比15.7%増)、営業損益は207億円の赤字(前年同期は1119億円の黒字)、純損失は275億円の赤字(前年同期は1002億円の黒字)だった。

【編集履歴:2020年8月11日午後10時18分 決算や会見内容に関する情報を追記しました。】

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