トランプ大統領、中国ByteDanceにTikTokの米事業を90日以内に売却せよとの大統領令
トランプ大統領は14日、新たな大統領令で中国ByteDanceに米国のTikTok事業を90日以内に売却またはスピンオフし、米国ユーザーのデータを破棄するよう命じた。
ドナルド・トランプ米大統領は8月14日(現地時間)、中国ByteDanceに米国のTikTok事業を90日以内に売却またはスピンオフすることを強制する大統領令に署名した。
この大統領令でトランプ氏は「ByteDanceは米国の国家安全保障を損なう恐れのある行動を取るかもしれないと確信する証拠がある」としている。
同氏が6日に署名した別の大統領令では、ByteDanceが45日以内に米企業にTikTok事業売却の契約を完了させなければ、米国のアプリストアでのTikTokアプリ配布を停止する可能性があった。
新たな大統領令により、TikTok削除までのタイムリミットが45日間延長された形だ。
この大統領では、ByteDanceは米国のTikTokユーザーの全データを破棄し、破棄したことを米外国投資委員会(CFIUS)に通知することも求めている。
米Wall Street Journalは11日、TikTokがユーザーのMACアドレスの一部を収集していたと報じた。MACアドレスとは、スマートフォンなどでインターネットに接続する際に割り当てられる一意の固定識別子。端末の位置情報追跡に使うこともできる。TikTokはこの報道についてメディアに対し、現在はMACアドレスを収集していないと主張した。
トランプ氏の6日の大統領令は、ByteDanceだけでなく、人気チャットアプリ「WeChat」を手掛ける中国Tencentとの取引も禁止している。トランプ氏は14日の記者会見で「Apple、Ford、Disneyなどの米企業がWeChatに関する命令について懸念している。WeChatは中国における巨大なコミュニケーションおよびモバイル決済プラットフォームであり、もし米企業と(Tencentと)の取引を禁じれば、iPhoneが中国で売れなくなってしまう。そうなっても構わないのか?」という質問に対し、「私はわが国の安全のために正しいことを行っている。中国にはひどく失望させられてきた」と答えた。
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