TikTokとByteDance、トランプ政権を米地裁に提訴 米から締め出しの大統領令に抗議
中国ByteDanceと傘下の米TikTokが、ドナルド・トランプ米大統領の政権を米地裁に提訴した。TikTokを米国から排除する大統領令は違憲だと主張する。
中国ByteDanceと傘下の米TikTokは8月24日(現地時間)、ドナルド・トランプ米大統領政権をカリフォルニア州中央地区連邦地裁に提訴した。1億人の米国人が利用するTikTokを政府が禁止するのを防ぐ目的としている。
トランプ大統領は6日、安全保障上の問題から動画共有アプリ「TikTok」を運営する中国ByteDanceや、コミュニケーションアプリ「WeChat」を運営する中国Tencentとの取引を45日以内に禁止する大統領令に署名した。
翌週には別の大統領令で、ByteDanceにTikTokの米事業を90日以内に売却するよう命じた。
ByteDanceとTikTokは訴状で、この大統領令は米合衆国憲法修正第5条で保障されているデュープロセス(適正手続)を経ていないことや、TikTokの米ユーザーのデータを中国政府が利用するというトランプ氏の主張には根拠がないことなどを提訴の理由として挙げた。
TikTokは公式ブログで、「政府を気軽に訴えるわけではない。われわれと、われわれのコミュニティの権利を守るために、他に選択肢はないと感じる」と語った。「大統領令でTikTokが米国で禁じられれば、われわれが米国で創出した1万人の雇用が排除され、コロナ禍での重要な娯楽を何百万人もの米国人から奪うことになる」という。
「政権は正当なプロセスに従って誠実に行動しておらず、TikTokが脅威である証拠も、懲罰的な命令の正当性も提示しなかった」(公式ブログ)
TikTokは訴状で、米国のユーザーデータは米国とシンガポールに保存されており、中国との間にはソフトウェアの障壁を築くという、プライバシーとセキュリティを保護するための特別な措置を講じていると説明した。
TikTokは現在、米国事業の売却について米Microsoftと交渉中だ。Microsoft以外の企業とも交渉中と報じられている。TikTokがトランプ大統領が命じた期間内に米国事業を売却できれば、アプリのシャットダウンは回避される。
この訴訟の訴訟番号は2:20-cv-07672。担当弁護士事務所はWashington D.C.のCovington & Burling。
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