同人誌即売会「コミティア」がクラウドファンディング 目標3000万円を初日に達成 コロナ禍で資金難
同人誌即売会「コミティア」の運営資金を募るクラウドファンディングがスタート。8月28日正午時点で4400万円以上を集めている。
コミティア実行委員会は8月28日、同人誌即売会「COMITIA」(コミティア)の運営資金を集めるクラウドファンディングを開始した。新型コロナウイルスの影響で即売会の規模縮小や中止が続き、資金難で今後の開催が難しくなったことが理由という。目標金額は3000万円だが、28日正午時点で4400万円以上を集めている。
コミティアは、二次創作を除いたオリジナルの漫画だけを集めた同人誌即売会。初開催は1984年で、19年は東京ビッグサイトで4回開催し、1回あたり2万人以上の来場者を集めた。「週刊少年ジャンプ」「週刊少年サンデー」など商業誌の編集者が、イベント内で原稿の持ち込みを受け付ける企画なども行っていた。
だが、新型コロナウイルスの影響を受け、2020年2月に開催した「COMITIA131」では一般参加者が3割減少。5月や9月に開催する予定だった即売会を中止せざるを得なくなり、20年の売上総利益は19年と比べ約6000万円減少する見込みという。
年内の開催費用は銀行の融資や行政支援、経費削減などでまかなう予定だが、21年上半期以降の管理費や開催準備費を調達できるめどは立っておらず、クラウドファンディングの実施に踏み切った。
クラウドファンディングは10月23日まで行う。集めた資金は(1)コミティアの開催を継続する資金、(2)コミティア実行委員会の運営母体であるコミティア社の管理費、(3)新型コロナウイルス感染拡大防止に必要な設備費──などに充てる。コミティア実行委員会は非営利のボランティア団体だが、大型化した即売会の運営にあたり法人化している。
「集まった金額が多ければ多いほど、先行きが不透明な中でコミティアが良い形で生き残る可能性や選択肢が増えていくと考えている。アフターコロナの時代に、より良い形でコミティアを開催し、できるだけたくさんの参加者に楽しんでもらうことが、最大で最高のリターンになると信じており、そのための努力は惜しまない」(コミティアのクラウドファンディングページ)
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