双方向型のオンライン授業、対面より満足度向上――立教大の調査
「教員と学生がコミュニケーションを取りながら行う授業は、対面よりオンラインの方が学生の満足度が高い」――立教大学がそんな調査結果を発表した。学生からは「リラックスして授業に参加できた」「オンラインでも友達はできる」などの声が上がっているという。
「教員と学生がコミュニケーションを取りながら行う授業は、対面よりオンラインの方が学生の満足度が高い」──立教大学が9月3日、そんな調査結果を発表した。
調査は立教大学経営学部のデータアナリティクスラボが7月に実施。2020年度の経営学部1年生(341人)と2年生(286人)を対象に、Webアンケートを行った。
教員と学生がコミュニケーションを取りながら進める「BLP」(ビジネス・リーダーシップ・プログラム)の授業では、2020年のオンライン授業の満足度が2019年の対面授業を上回った。1年生の満足度は95.8%(前年比3.8%増)、2年生の満足度は93.1%(同3.3%増)。学生の授業に対する理解度は81.2%(同6.5%増)となり、オンライン授業の方が高い割合となった。
オンライン授業の満足度が高い理由として、学生からは以下の声が寄せられたという。
「リラックスして授業に参加できた」
「オンラインでもグループワークを効率的に進められた」
「オンラインでも友達を作ることはできると感じた」
「自分のペースで学習することができた」
「授業に集中できた」
「授業時間中に分からないことを質問しやすかった」
授業形態別のオンライン授業に対する満足度は、「双方向のリアルタイム・対話形式の授業」は新入生の73.9%、2年生の59.4%が満足と回答した。一方、「一方向のリアルタイム動画配信形式の授業」「一方向の録画動画配信形式の授業」では、新入生の約40〜50%、2年生の約30%が不満と回答。「課題のみを提示する形式の授業」は、新入生の60.3%、2年生の54.6%が不満と答えた。
同大は調査結果を踏まえ、学生へのフィードバック機会を積極的に取り入れるオンライン授業の準備を進めるとしている。コロナ終息後に向け、オンライン学習とオフライン学習を組み合わせた授業形態の導入も検討する。
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