スマートグラスで農業を遠隔指導 ドコモが佐渡島で実験 新潟特産「おけさ柿」の栽培技術を後世に
NTTドコモが、スマートグラスを活用して農業を遠隔指導する実証実験を開始。実施エリアは新潟県佐渡島で、特産品「おけさ柿」の栽培で「AceReal One」を使用。農業従事者が高齢化する中、熟練者の技術を効率よく若手に伝える。
NTTドコモは9月8日、スマートグラス「AceReal One」を活用し、農業を遠隔指導する実証実験を始めた。実施エリアは新潟県佐渡島で、特産品「おけさ柿」の栽培に同端末を導入。経験の浅い作業員がスマートグラスをかけて作業し、ベテラン作業員が遠隔地から指示を出すことで技術向上を目指す。農家の高齢化と後継者不足が深刻化する中で、熟練者の技術を効率よく若手に伝えるのが目的。実施期間は2022年3月まで。
AceReal Oneはサン電子(名古屋市)が開発。産業用ヘルメットなどに装着して使用し、かけている人の視界を遠隔地のPCに共有したり、視界の映像を撮影したり、画面上に資料を表示したりできる。
実験の対象となる作業は、柿の木の剪定(せんてい)など。作業員がAceReal Oneを装着すると、視界の映像をリアルタイムで県の技術指導員に配信する。指導員は映像を見ながら、切断すべき枝の場所などを作業員の画面上に表示する。作業員は指示に従いながら熟練の技を学ぶ。
ベテラン作業員の作業風景を3Dカメラで撮影し、動画マニュアルを作成する実験も同時に行う。これらの実験は、農林水産省が公募する「スマート農業実証プロジェクト」に採択されており、ドコモは同省に結果を報告する予定。実用性が認められた場合は事業化する方針だ。
ドコモは「初めての取り組みだが、社会課題の解決につながるように(現場で)使えるものにしていきたい」としている。
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