テレワーク経験率、東京と地方で30ポイント超の“格差”
テレワーク経験率に東京と地方で30ポイント以上の差があることがリクルートキャリアの調査で分かった。同社はテレワーク未整備の企業に対し、「人材求心力と生産性の二重の低下のリスクを抱えることになる」としている。
東京と地方ではテレワーク経験率に30ポイント以上の差がある――。リクルートキャリアは9月9日、こんな調査結果を発表した。
コロナ禍の影響でテレワークをした経験がある人の割合を都道府県別に調べた結果、トップは東京都で71.1%。以下、大阪府(64.8%)、神奈川県(63.8%)と続いた。これら3自治体を除いた44道府県の実施率は38.5%で、東京都と30ポイント超の差があった。47都道府県の平均は48.0%だった。
全国のテレワーク経験者からは「時間を有効に使えるようになり、業務効率が上がった」(千葉県/40歳)、「テレワークによって精神的余裕ができた」(福岡県/34歳)などの好意的な声があった一方、「会話が減少したことで意志の疎通が図りにくくなった」(大阪府/34歳)などの課題を指摘する声も寄せられた。
コロナ禍とキャリア観の関連性についても聞いたところ、転職活動を実施中・検討中の636人のうち58.8%が「コロナ禍で自分の将来のキャリアを見つめ直した」と答えた。
現職に入社した時と比べ、転職希望者が仕事選びで重視するようになった点は「給料の高さ」(47.4%、入社時から15.0ポイント増)、「テレワークが認められているか」(21.9%、同14.4ポイント増)など。働き方の柔軟性が企業選びに影響していることが分かった。
調査結果を受け、同社の藤井薫HR統括編集長は「テレワークなどの自由度・生産性が高い働き方を整備しない企業は、人材求心力と生産性の二重の低下のリスクを抱えることになる」と指摘した。
調査は8月7日〜10日の4日間、公務員と自営業を除く会社員948人を対象に実施した。
【訂正:2020年9月10日午後2時42分 記事初出時、タイトルと本文で「東京と地方に3割/30%超の差」と表記していましたが、「30ポイント超の差」の誤りです。訂正してお詫びいたします。】
関連記事
- 22年卒、8割が「入社先でテレワークを利用したい」 仕事の上で不安なことは?
就職情報サイトを運営する学情が行った調査で、2022年に卒業予定の大学生・大学院生のうち約8割が「入社先でテレワークを利用したい」と回答。多くの学生がテレワークの実施に前向きな一方、仕事の進め方や人間関係などで不安を感じる学生も多いようだ。 - 中堅・中小企業のテレワーク、社員のITリテラシー格差が課題に 「Web会議が円滑に進まない」などの声
従業員数が100〜999人の中堅・中小企業では、社員のITリテラシー格差が課題になっていることが、デル・テクノロジーズの調査で分かった。Web会議ツールなどの習熟度に個人差があり、業務の進行を妨げているという。 - 「リモートアクセスできない」――コロナ禍のテレワーク、ITインフラの課題が浮き彫りに 打開策は「クラウド」が首位
ITmedia NEWSが「コロナ禍におけるクラウド活用」に関する読者調査を実施。テレワーク環境の課題として「社員のリモートアクセス権がない/不十分」「ITインフラの負荷が増大する」などが挙がった。解決策として最多だった手段は「クラウドサービスの導入」。業務効率化やITインフラの可用性向上などを期待する声が集まった。 - コロナ禍のテレワーク、26.7%が「実施したけどやめた」 人員管理やIT環境の整備に課題
コロナ禍で在宅勤務・リモートワークを実施したが、すでに取りやめた企業は26.7%──東京商工リサーチがそんな調査結果を発表した。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.