「PS5」、発売日と価格から見えてきたこと
ソニー・インタラクティブエンタテインメントが次世代ゲーム機「PlayStation 5」の発売日や価格を発表した。日本のゲームファンが抱いていた2つの不安を解消できたようだ。
ソニー・インタラクティブエンタテインメント(以下SIE)は9月17日、午前5時から動画「PlayStation Showcase」を配信し、次世代ゲーム機「PlayStation 5」(PS5)の発売日と価格、新規開発タイトルを発表した。YouTubeでは日本語版も公開し、早朝にもかわわらず7万2000人以上がリアルタイムで視聴した。
PlayStation Showcaseは、日本のゲームファンが抱いていた2つの不安を解消したようだ。1つ目は出荷台数。
春頃、PS5の初期出荷台数がPS4より「はるかに少ない」といった報道があり(SIEは否定)、一部ファンの間では「PS4のように日本での発売が遅れるのではないか」と危惧する声が上がっていた。PS4は2013年の11月に北米市場で発売したが、日本での発売は約3カ月遅れの14年2月になったからだ。
ふたを開けてみれば、PS5は日本でも米国やカナダと同じ11月12日発売。その他の国や地域も11月19日のため、ほぼ世界同時発売となった(中国を除く)。SIEは生産台数に相応の自信を持っていると解釈できる。
2つ目は価格だ。高いスペックを持つPS5は高額になると予想するメディアや個人が多かったが、実際はUHD Blu-ray Discドライブ搭載の「PS5」が4万9980円、ディスクレスの「PS5 デジタルエディション」は3万9980円(以下、全て税別)と、先に発表したマイクロソフト「Xbox Series X」の4万9980円、「Xbox Series S」の3万2980円とほぼ同水準だった。Twitterでは一時「PS5安」「デジタルエディション」といったキーワードがトレンドを席巻した。
ただ、過去のPlayStationシリーズと比べると、少し違う見方もできる。デジタルエディションの約4万円という価格は、実は初代PS、PS2、PS4の発売時とほぼ同じ。初めてHDDを標準搭載して高価になったPS3を除けば、ソニーのゲーム機は同じ価格帯を維持しているといっていい。
ディスクレスのデジタルエディションをPS5の廉価版と捉えている人も多いが、ゲームの流通はCDやBDといった光学メディアからネットワークへの過渡期にある。つまりデジタルエディションが、PS5のスタンダード(標準)モデルなのかもしれない。
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