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社内システム使えず「テレワークできない」→4000人がVPN同時接続 シオノギ製薬グループの“激動の5日間”(3/3 ページ)

コロナ禍の前までは、テレワークを限られた部署で実施していたシオノギ製薬グループ。4月から急きょテレワークを始め、約4000人の社員がVPNに同時接続できるようにした。その裏側で何があったのか。

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感染再拡大に備えインフラ強化

 那須さんたちが“激動の5日間”を乗り切ったかいあって、シオノギ製薬グループでは週明けの4月13日から、既存のVPNとAWS Client VPNを合わせて約4000人がVPNに同時接続できるように。那須さんは「時々、VPNが不調になることもありますが、対象となる全社員が効率よくテレワークできるようになりました」と明かす。

 出社する社員を減らし、緊急事態宣言が解除されるまでの期間を乗り切った同グループは、宣言解除後にリモート体制をいったん休止。5月末からは、社員が週に数回、業務の都合に応じて出社できるようにした。

 そうした中でもシオノギデジタルサイエンスは、感染の再拡大に備え、テレワーク環境に適したITインフラの強化に引き続き取り組んでいく考えだ。

 「当社はシステム基盤にオンプレミスを採用しているので、(可用性を高めるために)いずれはIaaSを活用できたらいいなと考えています。悪意ある第三者からの侵害があり得ることを前提にした『ゼロトラスト』でのセキュリティ対策も行っていきます」

「Cloud USER」特集:コロナ時代のクラウド活用

新型コロナウイルス感染拡大に伴って、企業はテレワーク導入などの体制変更を強いられた。新しい働き方に適したIT環境を築く上で、大きな鍵を握るのがクラウドの活用だ。

サーバやストレージ、仮想デスクトップ、ビデオ会議、チャット――。インフラや業務アプリにクラウドを使うと、企業は必要に応じてリソースの拡大縮小を行える他、場所を問わない意思疎通を可能にし、柔軟な働き方を実現できる。

だが、クラウドも万能ではない。オンプレミスよりもセキュリティ管理が難しく、障害発生のリスクもある。

企業はどうすれば、課題を乗り越えてクラウドを使いこなし、働きやすいIT環境を実現できるのか。識者やユーザー企業への取材から答えを探る。

第1回:コロナ禍でテレワーク普及も、日本はクラウド後進国のまま? その裏にあるSI業界の病理

第2回:「リモートアクセスできない」――コロナ禍のテレワーク、ITインフラの課題が浮き彫りに 打開策は「クラウド」が首位

第3回:コロナ禍でFAX・Excelから脱却 感染者データをクラウドで管理 ITで変わる自治体の今

第4回:自社のOracle Cloud活用、決算業務をフルリモートで 日本オラクル経理部のコロナ対応

第5回:「誰でも使えるシステムがすぐ必要だった」 オンライン授業迫られた文系大学の奔走 タイムリミットは2週間

第6回:「勤務地条件廃止」で応募者急増 GMOペパボが2日で“全社リモートワーク化”できたワケ

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