米FCCのパイ委員長、SNS保護の「セクション230」の定義を明文化するとツイート
米連邦通信委員会のパイ委員長が、SNS企業に対する法的保護について定める米通信品位法第230条(セクション230)の定義を明確にする意向を示した。この条文についてはトランプ大統領が保護を撤廃すべきと主張している。
米連邦通信委員会のアジット・パイ委員長は10月15日(現地時間)、米Facebookや米TwitterなどのSNSプラットフォーム企業に対する法的保護の根拠になっている米通信品位法第230条、いわゆる「セクション230」の定義を明確にするという声明文の画像をツイートした。
セクション230は、プラットフォームは発言の場を提供しているだけなので、どのような発言があってもその発言に責任はないと定めている(全文はこちら)。
ドナルド・トランプ米大統領は5月、Tiwtterが自らのツイートにラベルを付けたことをきっかけに、「検閲や政治的コンテキストにかかわるSNS企業の保護を維持できないようにする」大統領令に署名した。
同氏はその後、TwitterやFacebookが自分の投稿や対立候補に不利な投稿を制限するたびにセクション230を改定すべきだとツイートしている。
パイ氏は声明文で、FCCの法律顧問から同委員会がセクション230を解釈する法的権限を持っていると聞いたので、この条文の意味を明確にするためのルール作成を進めるつもりだと語った。具体的にどのような方向のルールにするかは説明していない。同氏は2012年から共和党を代表する委員としてFCCのメンバーを務め、2017年にトランプ大統領から委員長に指名された。
トランプ氏はパイ氏のツイートの数十分後、「IT大手が主流メディアと結託して存在を強化するなら、セクション230による保護を直ちに解除するべきだ。政府が保護したからやつらはモンスターを生み出したんだ」とツイートした。
FCCの民主党委員、ジェフリー・スタークス氏とジェシカ・ローゼンウォーセル氏はそれぞれ自身のツイートで、パイ氏のこの決定を批判している。
関連記事
- TwitterとFacebook、タブロイドのバイデン候補スキャンダル記事投稿を規制
米タブロイド紙New York Postが独占記事として掲載した米大統領候補ジョー・バイデン氏のスキャンダル記事をTwitterは非表示にし、Facebookも表示を制限した。ドナルド・トランプ米大統領は「非常に不快」とツイートした。 - 米司法省、「セクション230」改定案を議会に提出 プラットフォーマーによる検閲や見逃し規制強化目指す
米司法省が、Tiwtter、Facebook、Googleなどのオンラインプラットフォームがそのコンテンツについての責任回避を可能にしていた法律、いわゆる「セクション230」の改定案を議会に提出した。 - Twitterにラベルを付けられたトランプ大統領、SNS標的の大統領令に署名
Twitterに自分のツイートに警告ラベルを初めて付けられたトランプ大統領が、Twitter、Facebook、Instagram、YouTubeなどの“ソーシャルメディアの巨人”の規制を強化する目的の大統領令に署名した。Communications Decency Actのセクション230による保護を剥奪しようというものだ。 - FCC、オバマ前大統領導入の「ネット中立性」廃止勧告 12月に採決へ
ネットのトラフィックを平等に扱うことを定めた米国のネット中立性に関する規定を、米連邦通信委員会(FCC)の委員長が撤廃すると発表した。12月14日に採決を行う。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.