NASA、月面4Gネットワーク敷設でNokiaに助成金
米航空宇宙局(NASA)が、月面に4Gネットワークを敷設する目的でNokia傘下のBell Labsに約15億円の助成金を提供する。まずは月面車の制御や高解像度の動画ストリーミングを実現させるのが目的。
米航空宇宙局(NASA)は10月15日(現地時間)、月面に4Gネットワークを敷設するプロジェクトでフィンランドNokiaの米支社、Nokia of Americaに1410万ドル(約15億円)の助成金を提供すると発表した。
Nokia傘下のBell Labs(ベル研究所)は公式Twitterアカウントで、「月面での持続可能な人間の存在への道を開くために、月の「Tipping Point(転換点)」技術を進歩させるための重要なパートナーとして指名されたことを光栄に思う」とツイートした。
これは、NASAが月と火星についての宇宙開発技術に関する取り組みを支援する「Tipping Point solicitation」の一環。2018年にはジェフ・ベゾス氏率いるBlue Originが、精密着陸システムと低温液体燃料エンジンの開発で1300万ドル獲得した。今年は新たにNokiaをはじめ、米SpaceXなど15社に総額3億7000万ドル以上提供する。
Bell Labsは、まずは4G LTEから始め、将来的には5Gに進化させる無線ネットワークを構築・展開していく。このネットワーク敷設の目的は、月面車の制御、月面でのリアルタイムナビゲーション、高解像度の動画ストリーミングなど。月面の極端な温度差や真空状態などに耐えるよう特別に設計する計画だ。
「このミッションは、月面での人間の居住可能性を検証する」(Bell Labs)
NASAは「アルテミス計画」の下、2024年までに月面に人を送り込み、2020年代終わりまでに月面での持続的な滞在を可能にする計画だ。
【更新履歴:2020年10月19日午前10時 「フィンランドNokia」に修正しました。
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