「Google検索は競争を阻害している」のか? 米司法省とGoogleの言い分を整理してみた:Googleさん(2/2 ページ)
米司法省がGoogleを独禁法違反で提訴しました。これから長くなりそうなので、訴訟の要旨をまとめてみました。
Googleの反論はまっとうに見えます。私はたまにBingとDuckDuckGoで同じクエリを試してみることがありますが、記事を書くための検索では、今もGoogleで一番欲しいものが出てきます(個人の意見です、というやつですが)。
Googleは公式ブログで、Safariブラウザでは簡単に検索エンジンを変更できると主張しています(でも、司法省が言うように実際にわざわざ変更する人は少ないと思う)。
自分のところの商品を棚の目立つ位置に置いてもらうことは他のメーカーもやってるもん、の例として、Galaxy端末上のFacebookアプリとMicrosoftのOutlookを例に(ついでに、Samsungは自分のところのアプリを当然ながらいい位置に置いていることも)画像で説明しています。
他の企業だって同じことをやっているけど、うちの商品が突出して品質が高いから売れちゃっても当然だし仕方ないでしょ、という言い分です。
でも、司法省が問題にしているのは、それだけ突出して品質が高い検索サービスを開発するために必要な個人データは、ここまでくるともう、Google以外には入手できなくなっていて、その閉じた輪を回して得た広告収入を、閉じた輪を強化するためにディストリビューターに払っているところです。
この輪は、消費者の利便性を高めているという点で、独禁法の目的と合致してさえいます。広告収入と個人データ獲得という2つのメリットで輪はぐるぐる回りながらGoogle検索の改善につながっています。図にうまく組み込めませんでしたが、ディストリビューターにお金を払っていることもこの成長を助けています。
この輪は、独禁法のもう1つの目的「イノベーションの促進」は阻害しています。Googleの検索エンジンの輪を目の当たりにして、今更新しい検索エンジンを開発しようという新興企業はそもそも出てきそうにありません。でも、それ、違法行為の結果ではないです。
この訴訟、検索エンジンの輪を作ったことが違法かどうかが1つのポイントで、今の法律のままだと、10年近くかかって最終的にはGoogleが勝ちそうな気がします。
ただ、法律で規制できなければ法律を変えればいいので、法律が変わるかも。「だって、いいものはいいから、結果的に選ばれて1位なんだもん」と言っても、公共インフラに近いサービスを結果的に1社が独占していることは、あまり健全ではないからです。
でも、Googleが完全勝利にならず、司法省が求めるように企業分割するとして、どう分割すればいいんでしょう。複雑に絡み合ったGoogleのサービスとお金の流れはどこをどう切り離せばいいものやら。ウォーレンさんが言うようにGoogle検索をスピンオフしたら、検索を有料にするのでしょうか?
お時間があったら、訴状だけでなく、米議会下院司法委員会独占禁止法小委員会の報告書も読んでみることをお勧めします。Googleはともかく、Facebookのやり方が賛同しかねるようなもので、今後たぶん、Facebookも提訴されるだろうと思います。
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