VR風俗で“初めて”を捨ててきた “疑似”だからこそのめくるめく性体験 開発の背景は(1/3 ページ)
バーチャルでしか体験できない、めくるめく世界がそこにあった。
「今日はプライべートだと思って、楽しんでくださいね? 現実で何をしてもいいですから」──10月のある日、記者はVR風俗サービス「X-Oasis」(クロスオアシス)へ取材に赴いた。そこで、“初めて”を捨てた。
X-Oasisは、VRベンチャーのファントムコミュニケーションズが8月に始めた、VR機器を利用する性風俗サービスだ。キャストと利用者はそれぞれアバター(3Dモデル)の姿になり、疑似的な性行為を行う。現在はスマートフォンを用いた簡易VRにのみ対応し、キャストと利用者が1対1でサービスを行うプランを提供している。
利用するにはWebサイトでアカウントを作成後、サービスを受けたいキャストや日時を選択。サービスを受ける場所(VR空間)やキャストの服装(一部は有料)、シチュエーションなどのオプションを設定すると、サービスを受ける当日に専用のURLがメールで送られてくる。あとは時間通りにアクセスすれば、指名したキャストがVR空間で待っている。
利用者はアバターの視点(一人称視点)でサービスを受ける。まずは雑談から始まり、盛り上がってきたらアバター同士の口を合わせキスをしたり、下半身を合わせたりと疑似的な性行為に移る。その間、利用者は視覚的な刺激やキャストの声に合わせ、現実で何をしてもよい。その後はキャストとのピロートークなどを楽しめる。
ただし、簡易VRでは体の動きをトラッキングできず、利用者はアバターを動かせない。視点や見る方向も調節できないが、サービス中に“バーチャル体位”を変えることは可能だ。サービス中にキャストにお願いすれば、寝ころんだ体勢などに調整してくれる。
キャストにお願いすれば、サービス中に衣装やVR空間を変えてもらうことも可能だ。事前にオプションで指定していれば、好みの服や場所を伝えるだけで、キャストが注文通りに対応してくれる。裸(を模した3Dモデル)になってもらうことも可能だが、重要な部分にはモザイクが入る。
在籍キャストは、SMプレイが得意なユーノさんや、男の娘(女の子のような見た目の男の子)の姫乃あんりさんなど7人。価格は40分7000円(税別)からで、支払いはクレジットカードのみ受け付ける。料金の半分ほどがキャストの収入になる。
ファントムコミュニケーションズのKarinさん(キャストオーナー兼キャスト)によれば、利用者は男性がほとんどだが、キャストによっては女性客もいるという。β版を提供していた6月に実施したアンケートでは、ASMR(Autonomous Sensory Meridian Response)などの音声作品を好む人の利用が多いという結果が出た。
現在は1日に6回程度の利用があり、利用者からは「性病の心配がない」「理想のキャラクター(の姿をしたアバター)からサービスを受けられてうれしい」という声が出ている。女性の利用者からは「現実の肉体を危険にさらすことなく性サービスを楽しめる」などの感想もあるという。
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