グリーは10月27日、同社のスマートフォン向けアプリゲーム事業とライセンス事業を、完全子会社のファンプレックス(東京都港区)に2021年7月1日付で承継させると発表した。ファンプレックスは同年7月1日付で「グリーエンターテインメント」に商号を変更する。ゲームのユーザーへの影響はないとしている。
ファンプレックスはグリーグループ内でソーシャルゲームの運営を担う企業。グリーは事業承継で、同社とファンプレックスが持つゲーム事業のノウハウを一体化するとともに、素早い意思決定を行える体制を作り、事業拡大を加速するとしている。
事業承継に伴う資本金や株式の移動はない。グリーエンターテインメントの代表取締役社長にはグリー取締役で上級執行役員の小竹讃久氏が就任。現在の下村直仁社長は退任する。事業承継がグリーの業績に与える影響は軽微としている。
グリーが27日に発表した21年6月期第1四半期(20年7〜9月)の連結決算は、売上高が152億4000万円(前年同期比3.6%減)、営業利益が16億円(同35.6%増)、当期純利益は12億5000万円(同27.0%増)と減収増益だった。
広告事業やメディア事業がコロナ禍の影響で減収となったものの、7月に中国や欧米で展開を始めた「SINoALICE」「ダンメモ」「アナザーエデン」などのタイトルが好調に推移。固定費の削減が増益につながったという。
今後は引き続き中国などでゲームを配信する他、資本体制の補強に向けた自己株式取得を120億円を上限に行うとしている。
【訂正:2020年10月27日午後7時50分 記事初出時、決算データの一部に誤りがありました。追加の事実確認に基づき、該当箇所と本文を修正しました。】
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