ガチで楽しめる入門機「E-M10 Mark IV」 廉価モデルだが手ブレ補正は強力:荻窪圭のデジカメレビュープラス(3/3 ページ)
オリンパスのOM-Dシリーズ入門機「E-M10 Mark IV」が妙に可愛い。ちょっとゴツッとして頭が三角にとんがったボディだが、かなり小ぶりでバッテリー込みで383gと軽い。
傑作なのがAPモード。OM-Dならではのいろんな特殊撮影機能が用意されてて、指示に従うだけでデジタルシフトやフォーカスブラケット、HDR撮影を行えるのだが、個人的なおすすめはライブコンポジットだ。
スローシャッター撮影を高速に繰り返しつつ「比較明合成」(明るい部分だけ合成していくこと)を行うというもの。
たまたま遠くで雷が頻出してたのでベランダの手すりにカメラを固定してしライブコンポジットで……10分以上放置してみた。
こんな写真をエントリーレベルのミラーレス一眼で撮れるのである。やったのは雷がなりそうな方向にカメラを置いて「ライブコンポジット」でシャッターを押し、しばらく放置してまたシャッターを押して止めただけである。
なんというか簡単にいろんな撮影をガチで楽しめる入門機なのだ。
最後に基本性能の話もちょっとだけ。
シャッタースピードは最高で1/4000秒と上位機に比べて劣るがこれはメカシャッターの場合。電子シャッターを使えば1/16000秒までいける。
ISO感度はISO200から25600までで、ISO LowにすればISO100も使える(ISO Lowにするとハイライト部が白飛びしやすくなる)。ISO6400までなら結構使えそうだ。
連写は高速連写で約8.7コマ/秒で電子シャッターだと約15コマ/秒とそこそこ速い。
動画は4K/30fpsまでいけるが、今年続々と登場した動画仕様を強化したカメラほどではなくハイエンドな映像作品用ではないが、本格的な映像作品を目指すのでなければ問題なかろう。
そうそう、最後に大事なこと。
やっと前モデルまでできなかったUSB充電に対応した。microUSB端子であるが、USB充電可能になったのはよろこばしい。
メディアはSDカードでスロットは底面、バッテリーの横にある。
E-M10 Mark IVは位置付けも価格もエントリー機であり、上位機に比べると頑丈さ(防塵防滴とか)や手ブレ補正性能などで及ばない点は多いけれども、だれもがハイエンド機を求めているわけではないわけで、その点、E-M10 Mark IVはちょうど良い塩梅に収まっている。
とても実用的な手ブレ補正性能を持ち、オートで気軽に撮るのみならず本格的な撮影にもしっかり対応してくれる機能と操作系。そしてきちんとしたEVFと自撮り対応のチルト式モニターを搭載し、しかも軽くてコンパクトというバランスがいいカメラなのだ。
マイクロフォーサーズなのでレンズがコンパクトで複数のレンズを持ち歩きやすいのも実用的だ。
日常的に持ち歩け、見た目もめちゃカメラっぽく、性能は実用的というわけである。初めてのデジタル一眼として、あるいは機動力が高いセカンドカメラとして良い。
今、ミラーレス一眼といえばフルサイズセンサーが注目されるが、マイクロフォーサーズにはマイクロフォーサーズの魅力があると思う(モデル:長谷川実紗)。
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