霞が関でパスワード付きzipファイルを廃止へ 平井デジタル相
平井卓也デジタル改革担当相が中央省庁の職員が文書データの送信で使用するパスワード付きzipファイルを廃止する方針であると明らかにした。「デジタル改革アイデアボックス」の意見を採用した。
平井卓也デジタル改革担当相は11月17日の定例会見で、中央省庁の職員が文書などのデータをメールで送信する際に使うパスワード付きzipファイルを廃止する方針であると明らかにした。政府の意見募集サイト「デジタル改革アイデアボックス」の意見を採用した。内閣府、内閣官房から取り組みを始め、他省庁については利用実態を調査する。
zipファイルの廃止は内閣官房が16日に開催した、河野太郎行政・規制改革担当相らとの対話の場で取り上げられ、その場で採用が決まった。アイデアボックスでの支持が最も高かったという。
霞が関の職員らは文書データを添付する際、zipファイルに加工してメールで送信しており、これまではセキュリティ対策として慣例的にパスワードを別メールで送信していた。
河野氏との対話の場で平井氏は「zipファイルのパスワードの扱いを見ていると、セキュリティレベルを担保するための暗号化ではない」と指摘。河野氏が推進する押印廃止になぞらえ、「全ての文書をzipファイル化するのは何でもはんこを押すのに似ている。そのやり方を今までやってきたからみんなやってたと思うし、メール内容をスマホで見れないのは致命的だ」とし、全廃することを決めた。
平井氏は「今後もアイデアボックスでの支持が多いものはすぐに取り上げて、対処していきたい」と述べ、今後も国民からの意見の採用に前向きな姿勢を示した。
自治体職員参加型のプラットフォームも
会見では併せて、国が自治体向けに導入するシステムについて、全国の自治体職員が議論に参加できる専用プラットフォームを設置すると発表した。業務量や技術レベルなどから現場の自治体職員の意見を反映する。平井氏は「国で作って『どうだ、これ使え』という形にはしない」と述べ、「自治体職員と直接対話しながら、自治体システムのあるべき姿を作っていきたい」と話した。
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