Apple、旧iPhoneの意図的減速の米州訴訟で和解、1億1300万ドル支払い
Appleが旧モデルiPhoneの動作をOSアップデートで意図的に減速させ、買い替えに誘導したとして米国の30以上の州が起こしていた裁判で和解が成立。Appleは1億1300万ドル支払う。5月には別の集団訴訟で5億ドルの支払いで和解した。
米Appleは、iPhoneの旧モデルの動作を意図的に減速させ、買い替えに誘導したとして30以上の州に提訴されていた裁判で和解し、1億1300万ドル支払う。コネティカット州などが11月18日(現地時間)に発表した。
この問題は、2017年末、ユーザーが「iPhone 6s」のiOSアップデート後、急に動作が遅くなったとRedditに投稿したことをきっかけに明らかになった。「iPhoneスロットル」と呼ばれるこの現象についてAppleは「顧客に最高の体験を提供するため」のものだと主張し、開示しなかったことを謝罪したが、複数の消費者や州が訴訟を起こした。
5月には別の集団訴訟で和解が成立し、Appleは5億ドル支払うことで合意している。
この訴訟に参加したコネティカット州のウィリアム・トング司法長官は発表文で「AppleはiPhoneにバッテリーの問題があることを知っていたのだから、正直に問題を解決すべきだった。同社はその代わりに、顧客に自分のスマートフォンは時代遅れだと感じさせ、新モデルを購入させ、収益を上げた」とし、「これはビジネスの透明性の重要性を示しており、消費者が苦労して稼いだ金を使う企業に期待すべきことを浮き彫りにしている」と語った。
和解条件は金銭的な支払いに加え、iPhoneのバッテリー状態や電源管理に関する正確な情報を消費者に提供することも義務付けている。
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