AWS、普通のネットワークカメラにコンピュータビジョンを追加できる「Panorama」システム:AWS re:Invent 2020
AWSは、普通のネットワークカメラをコンピュータビジョン対応のスマート監視カメラにグレードアップできるアプライアンス「AWS Panorama」を発表した。製造ラインの検査や小売店での顧客の流れ分析などが可能になる。
米Amazon.com傘下のAWSは12月1日(現地時間)、オンラインで開催中の年次イベント「AWS re:Invent 2020」で、一般的なネットワークカメラをコンピュータビジョン(CV)対応のスマート監視カメラにグレードアップできるシステム「AWS Panorama」を発表した。間もなくプレビューを開始する。プレビュー申し込みページは日本からのエントリーも可能になっている。
例えば製造ラインの部品の検査や現場作業で作業員がヘルメットを着用しているかどうかの確認、小売店での顧客の動きの分析などが、このシステムを追加することで可能になるとしている。
既存のカメラを変更せずに、ネットワークにPanorama Applianceを追加することで、複数のカメラからの動画フィードを並行して分析し、数ミリ秒以内に予測を生成する。Applianceは防塵・耐水性があるので、過酷な環境への設置も可能という。
セットアップは、アプライアンスをネットワークに接続し、PanoramaのサービスにAWSのアカウントでログインし、アプライアンスを検出するだけ。
AWSは、ネットワークカメラメーカーがPanorama対応端末を開発するために使える「Panorama SDK」も提供する予定。
AWSは2017年のre:Inventではディープラーニングアプリ開発に使えるカメラ「AWS DeepLens」を発表している。
親会社のAmazonは6月、新型コロナウイルス対策の自社物流倉庫の環境改善の一環として、従業員が安全な距離を保っているかを監視するAIカメラ採用の「Distance Assistant」の導入を発表した。
関連記事
- AWS、自社開発MLトレーニングプロセッサ「Trainium」 EC2で提供へ
AWSが自社開発の機械学習トレーニングプロセッサ「Trainium」を発表した。2018年発表の「Inferentia」と平行して来年からEC2で提供する。EC2ではIntelの「Gaudi AI」ベースのインスタンスも提供予定だ。 - AWS Lambdaがコンテナイメージをサポート 関数として実行可能に
AWSが「AWS re:Invent 2020」で、AWS Lambdaのコンテナサポートを発表。コンテナそのものを関数としてイベント発生時に実行できるようになる。ローカル環境で試すことも可能。 - Amazon、AIカメラでソーシャルディスタンスを確認できるシステムを物流倉庫に導入
Amazonが、ソーシャルディスタンスを保てていないとアラートを発するAIカメラシステム「Distance Assistant」を発表した。新型コロナウイルス対策として、数百台を物流倉庫に配置する計画だ。 - Amazon、警察による顔認識技術「Rekognition」の使用を1年間停止 #BLM
Amazon.comが2018年から米警察に販売している顔認識技術「Rekognition」を向こう1年間停止すると発表した。白人警官の暴行による黒人男性死亡で高まっている「#BLM」に配慮したものとみられる。 - AWS、機械学習のための統合開発環境「Amazon SageMaker Studio」提供開始 コード、ノートブック、データセットを1つのツールで
AWSが米ラスベガスで、年次イベント「AWS re:Invent 2019」を開催。機械学習のための統合開発環境「Amazon SageMaker Studio」を発表した。コード作成ツール、ノートブック、データセットを1つのツールにまとめたもの。 - Amazon、ディープラーニング向けビデオカメラ「AWS DeepLens」を249ドルで発売へ
Amazon傘下のAWSが、手軽にディープラーニング採用の顔認識アプリなどを開発できるビデオカメラ「DeepLens」を発表した。まずは4月に米国で発売する。価格は249ドル。TensorFlowやCaffe2もサポートする。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.