Graviton2採用インスタンスが高速化 AWSが独自開発Armプロセッサを使用した新インスタンスを発表
AWSが独自Armプロセッサを使ったインスタンスを強化した。
米Amazon Web Services(AWS)は12月1日(米国時間)、独自開発の「Graviton2」プロセッサを使用した新しいEC2インスタンスとして「C6gn」インスタンスを発表した。2020年内に提供を始める予定。
AWSは既にGraviton2プロセッサを使用した「C6g」インスタンスを提供しているが、新しいC6gnインスタンスではネットワークの帯域幅とストレージであるEBS(Amazon Elastic Block Storage)の帯域幅を広げた。C6gで最大規模の「c6gd.16xlarge」インスタンスは、ネットワーク帯域幅が最大25Gbps、EBS帯域幅が最大19Gbpsだ。
新たに提供するC6gnの中で最大規模の「c6gn.16xlarge」インスタンスは、ネットワーク帯域幅が最大100Gbps、EBS帯域幅を38Gbpsまで拡張。C6gと比べると、ネットワーク帯域幅が4倍に、EBS帯域幅が2倍に拡張した計算になる。AWSはC6gnインスタンスが、ネットワーク帯域幅が性能を左右するHPC(High Performance Computing)や、ネットワークアプライアンス、リアルタイムビデオ会議、大規模データ解析などに向くとしている。
C6gnでは、仮想プロセッサ数が1つで、メモリが2GB、ネットワーク帯域幅が最大25Gbps、EBS帯域幅が最大9.5Gbpsのインスタンスから、仮想プロセッサ数が64、メモリが128GB、ネットワーク帯域幅が最大100Gbps、EBS帯域幅が最大38Gbpsのインスタンスまで、規模と性能が異なる8種類のインスタンスを提供する。
Graviton2プロセッサは、英Armが開発した「NEOVERSE N1」を基に、Amazon傘下のAnnapurna Labsが開発したもの。Armv8.2-A命令セットアーキテクチャに対応する64のプロセッサコアを搭載し、DDR4-3200に対応するメモリコントローラーを4チャンネル備えている。
関連記事
- AWS、自身でプロセッサを開発していく姿勢を明らかに 独自開発の第二世代ARMプロセッサ「Graviton 2」発表
AWSが、米ラスベガスで年次イベント「AWS re:Invent 2019」を開催中。基調講演にAndy Jassy氏が登場。独自開発したARMベースの新プロセッサ「Graviton 2」および、このプロセッサを用いた新しいインスタンスタイプ「M6g」「R6g」「C6g」を発表した。 - AWSがMacインスタンスを提供開始 2021年にはM1搭載Macも
Macを買わなくてもアプリ開発ができる。Amazon AWSが提供を始めた。 - AWS、Alexaのクラウド処理をGPUから独自チップに切り替え 高速化でサーバコストを大幅削減
AlexaのTTS部分を処理するASICを開発した。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.