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AWS、Radeon GPUを搭載したEC2インスタンスを発表 AMD製GPUをAWSに初採用

NVIDIAのGPUを使ったインスタンスはあったが、AMD製GPUは初めて。

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 米Amazon Web Services(AWS)は12月1日(米国時間)、同社が提供しているクラウドの仮想マシンサービス「EC2」(Elastic Compute Cloud)で、米AMDのRadeon GPUを利用できるようにすると発表した。AWSがRadeon GPUを採用するのは、これが初めて。GPU付きインスタンスである「G4」インスタンスの新プラン「G4ad」として提供する。

 近日中にアメリカ東部(バージニア北部)、アメリカ西部(オレゴン)、ヨーロッパ(アイルランド)の3リージョンで提供を始める。用途としては機械学習ではなく、ゲームのストリーミング、アニメーション製作、ビデオデータのレンダリングなど、高精細な3Dグラフィックスの作成を主に想定している。

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AWSはEC2インスタンスのGPUとして、初めてAMD Radeonを採用する

 AWSは従来、3D グラフィックスの作成に向けた割安なインスタンスとしてNVIDIAの「TESLA T4」GPUと、Intelの第2世代Xeon Scalable Processor(Cascade Lake)を搭載した「G4dn」を提供してきた。今回新たに提供を始めるG4adは、同一規模のG4dnに比べて、グラフィックス処理が最大で40%向上し、利用価格に対する性能は最大で45%上がるとしている。

 新登場のG4adインスタンスは、プロセッサにAMDの第2世代「EPYC」を採用し、GPUにはAMDが12月1日に発売した「Radeon Pro V520」を搭載する。Radeon Pro V520は、クラウド事業者向けにのみ販売する製品で、一般販売の予定はない。RDNAアーキテクチャを採用し、コンピュートユニットを36基、ストリームプロセッサを2304基備える。メモリは8GBのHBM2を搭載している。ピーク時のクロック周波数は1.6GHzで、単精度浮動小数点数(FP32)の演算能力は7.4TFLOPS。台湾TSMCの7nm FinFETプロセスで製造する。

 OS標準の3DグラフィックスAPIは、Microsoft DirectX 11/12、Vulkan 1.1、OpenGL 4.5に対応する。インスタンスで動作させるOSは、Windows Server 2016/2019、Amazon Linux 2、Ubuntu 18.04.3、CentOS 7.7から選択できる。提供するインスタンスはそれぞれ規模が異なる3種類で、主な仕様は以下の通り。

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3種類のG4adインスタンスの主な仕様

 新登場のG4adインスタンスは、これまで提供してきたG4dnインスタンスを性能、利用価格に対する性能の面で超えてしまったが、AWSは「小規模な機械学習と推論ならば、G4dnインスタンスの方がNVIDIAの機械学習向けライブラリなども揃っているため、良い選択肢になる」と説明している。

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