ドコモの新プラン「ahamo」は携帯料金の常識を変えた? ワイモバ・UQとの違いとは(1/2 ページ)
ついに出そろった携帯大手3社の新料金プランを比較。「ahamo」が携帯業界にどんな影響を与えるか考察する。
NTTドコモが12月3日に発表した新料金プラン「ahamo」(アハモ)。月額2980円(税込、以下同)で20GBのデータ容量を提供するプランで、すでにWeb上で実施されている先行エントリーに申し込んだ人や、乗り換えを検討中の人も多いだろう。
だが、携帯電話料金の値下げに取り組んでいるのはNTTドコモだけではない。総務省による携帯市場の競争を後押しする行動計画の発表を受け、KDDIはサブブランドの「UQ mobile」で月20GBで3980円の「スマホプランV」を発表。ソフトバンクも「Y!mobile」で月20GBが4480円の「シンプル20」を発表しており、主要3社の新料金プランが出そろったといえる。
そこで本記事では3社の新料金プランの内容を振り返りつつ、ahamoの登場が携帯業界にどのような影響を与えるか考察していく。
ahamoと2社の新料金プランを比較
まずは現時点で3社が発表済みの新料金プランを振り返っていく。
3社が発表した20GBプランは、今でいえば「中容量」の料金プランに相当する。大手携帯電話会社の既存プランでは「50GB以上の大容量プラン」で8000円前後、「1GB刻みの段階制・小容量プラン」では5000円で5〜7GB程度しか使えない場合が多く、これを踏まえると各社のプランは思い切った値下げといえる。
その中でもahamoは3社の新プランで最も安く、ユーザーに与える“お買い得感”も大きい。例えばUQ mobileの「スマホプランV」は、月額料金が最安で3480円まで下がる「家族割引」を用意しているが、それでもahamoの2980円に及ばない。スマホプランVは30秒あたり20円の通話料がかかるが、ahamoは5分までの通話が無料だ。
他2社のプランと違い、5G通信が使えるのもahamoの特徴だ。今後、ユーザーがSIMカードのみを契約し入れ替えて使っていく際に、最新スマートフォンの機能をフル活用できる点も強みになる。
いわゆる“2年縛り”(2年定期契約)がないのは3社共通だが、「契約事務手数料」が無料なのはahamoだけだ。ただし、ahamoは受付をオンラインに限定しており、他2プランと違って店頭では申し込みできない。
ahamoが携帯料金の「複雑な割引」を変える第一歩に?
そんなahamoだが「複雑な割引を適用しなくても安い」というのはやはり大きなアドバンテージといえる。これまでの携帯料金プランにも安価なものは存在したが、その多くはもともとの料金が高く、いくつもの割引を適用することで安くなるというものだった。
例えば「2980円」と広告に打ち出される料金は「契約から半年だけ適用される割引」や「光回線とのセット割引」など、複数の割引を適用した場合の最安値であることが多い。これらの条件を満たせない人が「広告価格より高くなった」と感じることも、今までの携帯電話料金が「高い」といわれてきた理由だろう。
こうした「半年間の割引」や「光回線とのセット割引」は2年縛りと同じく、他社への乗り換えを阻害する囲い込みとしても機能している。
一方、今回発表されたahamoは、サブブランドでないNTTドコモ本体の料金プランながら(1)2年縛りなし(2)契約事務手数料なし(3)家族割の対象外(4)光回線とのセット割なし──など、とにかく囲い込みが存在せず、乗り換えコストもかからない。
そんなahamoが、今後の携帯業界にどんな影響を与えるのか。大きく分けて2つの可能性が考えられる。
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