Google、“第三のOS”「Fuchsia」プロジェクトを一般公開
Googleは、2015年にGitHubで静かに立ち上げたOSプロジェクト「Fuchsia」で、一般開発者の参加を呼びかけた。MacやLinux端末向けエミューレータも公開。「このOSで、持続性のある安全な製品と体験を簡単に作成できるようにする」としている。
米Googleは12月8日(現地時間)、2015年にGitHubで静かに立ち上げたOSプロジェクト「Fuchsia」(赤紫、という意味)のオープンソースモデルを拡張し、一般開発者からの貢献を歓迎すると発表した。
Fuchsiaは、Android OSと異なりLinuxベースではなく、Google独自のリアルタイムOS向けカーネル「Zircon(旧Magenta)」をベースにした新しいOS。2019年にはひっそりと開発者向けWebサイト「Fuchsia.dev」が公開されたが、公式ブログでの正式発表はこれが初めてだ。今回の発表でGoogleはFuchsiaを「汎用OSを構築するための長期プロジェクト」と説明した。
「Fuchsiaは、セキュリティ、更新可能性、パフォーマンスを優先するよう設計されている。(中略)このOSで、持続性のある安全な製品と体験を簡単に作成できるようにする」という。
一般開発者が参加しやすいよう、バグトラッカーやロードマップを公開。公開メーリングリストに参加すれば、進行を把握できる。
開発者はMacあるいはLinux搭載PC上のエミュレータでFuchsiaの開発に協力できる。推奨ハードウェアとしては、Googleの「Pixelbook」、Acerの「Switch Alhpa 12」、「Intel NUC」などがリストアップされている。
現時点では正式な製品化の計画などは不明。Google自身は立ち上げの準備はまだ整っていないと強調している。
2018年には米Bloombergが、FuchsiaはIoT、スマートフォン、PCにわたって稼働するOSになると予測した。
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