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良い意味で普通になった富士フイルム「X-S10」 オートで気軽に撮れる“X”:荻窪圭のデジカメレビュープラス(5/5 ページ)
Xシリーズならではの良さは生かしつつ、オーソドックスな操作系に変わったAPS-Cサイズセンサーのミラーレス機「X-S10」。ボディ内手ブレ補正まで搭載し、お買い得感の高い製品になった。
ISO1600から51200まで拡大して並べてみたが、ISO25600以上はさすがにノイズが増えるけれども、増え方はナチュラルで急激に劣化するこということはなく、非常に良い。
さらに上位機種譲りなのが連写機能。メカシャッターでの連写は秒8コマまでだが、電子シャッターにして1.2xクロップ(つまり撮影範囲が狭くなる)を使えば、秒30コマの超高速連写も可能になる。
ちょっとその設定が分かりにくかったりするが、いざというときにこれは超強力だ。
そのクロップ連写で撮った雀を1枚。暗かったのでISO3200まで上がったが画質は上々だ。雀がつい何かしらを啄んだ瞬間の連写でちょうど咥えたところが撮れていた。
このように、小さくて軽くてオーソドックスな操作系になりつつ、Xシリーズならではの良さはちゃんと生かしつつ、ボディ内手ブレ補正まで搭載したX-S10はAPS-Cサイズセンサーのミラーレス機としてとても質実剛健な作りで、このサイズと価格でこの高性能はお得感がありすぎる。
個人的には「オーソドックス」になっちゃったのが残念な面もあるけど、裾野を広げるって意味では良い選択だろう。
小さくてオートでもマニュアルでもきっちり楽しめるカメラらしいミラーレス一眼が欲しい人に勧めたい。
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