Twitter、偽情報対策「バードウォッチ」のテスト公開 コミュニティ主体でツイートに注釈追加
Twitterが、誤解を招く情報の拡散対策として、コミュニティ主体の新プログラム「Birdwatch」のテストを米国で公開した。
米Twitterは1月25日(現地時間)、偽情報拡散防止対策「Birdwatch」のパイロット版を米国で公開したと発表した。誤解を招くツイートに一般ユーザーがnote(注釈)を付け、その注釈を他の多数のユーザーが評価すれば最終的にはツイートにその注釈がラベルのように表示されるという、コミュニティ主体の取り組みだ。
将来的には、ツイートの右上の[・・・]メニューに「Birdwatchに貢献」項目が追加され、誰でも注釈を付けられるようになる可能性がある。
現在はテスト段階なので、テスト参加者が付ける注釈はBirdwatch専用サイト(日本からは内容を見ることができない)に掲載されている。このサイトでユーザー同士が注釈を評価し、ランキングも表示される。
Twitterは良い注釈の例として、「クジラは哺乳類ではない」というツイートに、なぜそのツイートが間違っているのかをわかりやすく説明し、根拠へのリンクを添えた注釈を紹介している。
公開前の段階で、幅広い政治的スペクトルの100人以上を対象に行なった調査では、人々はTwitter自身や権威者によるものよりもコミュニティの意見を参考にすること、ラベルよりもコンテキストを参考にすることなどが分かったとしている。
Birdwatchを透明性のある仕組みにするために、投稿された注釈はすべてダウンロードできるようにする。また、Birdwatchのアルゴリズムは公開する予定だ。ランキングシステムのアルゴリズムは既にこちらで公開している。
Twitterは、こうしたコミュニティ主体の方法には偏ったグループによる操作など、多くの問題の可能性があることは分かっているので、テスト段階でそうした問題を解決していきたいとしている。現在シカゴ大学の研究者など専門家を交えてテスト中だ。「これが混沌としたもので時には問題が発生することは予想しているが、それでも試してみる価値はあると思う」。
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