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電気代の高騰、経産省が分割払いや支払い猶予など「柔軟な対応」求める 電力小売事業者の救済措置も

卸電力市場の高騰で「市場連動型プラン」の電気代が大幅に値上がりした問題で経済産業省が電気代の分割払いや支払い猶予を含む柔軟な対応を電力小売事業者に求めた。併せて事業者の救済策も打ち出した。

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 卸電力市場の高騰で「市場連動型プラン」の電気代が大幅に値上がりした問題で経済産業省は1月29日、プランを提供する電力小売事業者に電気代の分割払いや支払い猶予を含む柔軟な対応を求めた。併せて電力小売事業者の救済策も打ち出した。

 この冬の厳しい寒さと燃料価格の上昇などで1月の卸電力市場は急騰。12日から15日まで4日連続で最高価格が200円/kWhを超え、月間の平均価格も66.91円/kWhと過去最高を記録した。


卸電力市場の高騰(出典はテラエナジーでんきのWebサイト)

 卸電力市場の高騰は、市場から電力を購入する「市場連動型」電気料金プランの利用者を直撃。1月分の電気代が1カ月の電気代が普段の数倍になるケースも出ており、場連動型プランを提供する電力小売事業者も対応に追われた。

 資金面の負担も大きい。例えば高騰した分の電気料金を全て自社で負担すると発表したハチドリ電気は「月に数千万円の赤字」を見込む。利用者の負担軽減策を実施するため、新たな資金調達を検討している事業者もある。

 こうした事態を受け、経産省は1月17日に供給力不足時等の精算金(インバランス料金)単価の上限を200円/kWhとする救済措置を打ち出し、JPEXなどが受け入れた。

 しかし、今後電力を調達できず高額の精算金を支払う電力小売事業者が出てくる可能性がある。電力を供給できなくなると消費者に大きな影響を及ぼすため、経産省は電気事業法で規定する「託送供給等約款により難い特別の事情がある場合」(第18条第2項ただし書)に該当すると判断、追加の救済措置を決めた。

 電力小売事業者は、消費者に向けて電気代の分割払いや支払い猶予など柔軟な対応をしていること、事業が健全で継続できるなどの条件を満たしていれば、1月分清算金(電力取引に掛かる支払い)の分割払いが可能になる。経産省は電力を卸している一般電気事業者やJEPXに対し、分割払いの受け入れや電力小売業者向け相談窓口の設置など柔軟な対応を求め、JEPXは29日付で「小売電気事業者の状況を個別に審査した上、余裕のある対応をする」と発表した。


1月分清算金の分割払いが可能になる条件の1つは需要家(消費者)保護(経産省の資料より)

 2016年4月の電力小売前面自由化から間もなく丸5年。全ての消費者が電力会社や料金プランを自由に選択できるようになった一方、卸電力市場の急騰というリスクも顕在化した。経産省では、急激な高騰について今後検証を行い、電力の安定供給や市場制度の在り方について引き続き検討するとしている。

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