「お母さん、今日は英会話の日だよね!」 フォートナイトで学ぶ“eスポーツ英会話教室”が小中学生に人気(1/2 ページ)
「フォートナイト」をプレイしながら英語を学ぶ「eスポーツ英会話」がひそかに人気を集めている。現在は受講を希望する待機者が100人以上いるという。
人気オンラインゲーム「フォートナイト」をプレイしながら英語を学ぶ──そんなサービスがひそかに人気を集めている。eスポーツ事業を手掛けるゲシピ(東京都千代田区)は、2020年5月からゲームと英語学習を組み合わせた「eスポーツ英会話」を提供している。同社の真鍋拓也CEOによれば、現在は受講を希望する待機者が100人以上いるという。
eスポーツ英会話の内容はこうだ。コーチ(講師)が2〜3人の生徒と一緒に海外製のゲームをプレイしながら英語を教える。対象年齢は小学生以上で、受講料は月額8000円。授業は全てオンラインで実施しており、生徒は週に1回授業を受けられる。
授業の難易度は初級と中級。授業では、コーチと生徒が同じチームで一緒にゲームをプレイしながら英語で会話する。例えば初級のクラスでは、あいさつに使う言葉やeスポーツの基本用語、ゲームに頻出する単語を覚えた上でプレイを開始。敵の位置などをボイスチャットを使って英語で伝えながら進めていく。
最初は決められた単語だけ英語を使い、それ以外は日本語でやりとりする。次第に英語の割合を増やしていき、最終的には英語だけでゲーム中のやりとりができる状態を目指す。上級以上のクラスはまだ開講していないが、ゲームに関係ない日常会話も学べるようにするという。
受講生はゲームソフト・ゲーム機に加え、ボイスチャット用に「Discord」(ディスコード)という通話アプリを用意する。使用するゲームソフトは現在「Apex Legends」(エーペックスレジェンズ)と「Fortnite」(フォートナイト)の2作品だ。
Apex LegendsはPCのみに対応するが、フォートナイトではPCに加えNintendo Switch、PlayStation 4、Xbox Oneといった家庭用ゲーム機もサポートしている。それぞれ一人称視点シューティング(FPS)、三人称視点シューティング(TPS)と呼ばれるジャンルのゲームで、eスポーツとしても人気だ。どちらも3〜4人のチーム戦に対応している。
現在の受講生は3〜40人程度。このうち8割は小中学生で、特に小学4〜5年生が多い。中でも通年で提供している初級クラスは人気が殺到しており、新しい講座を開設するとすぐに満席になってしまうという。
生徒の保護者からは「子どもが一人でゲームする時も英語をぶつぶつ話すようになった」などの声が出ている。中には「学校から帰るなり子どもが『お母さん今日英会話の日だよね!』と楽しそうにしている」といった感想もあるという。
講師は複数人おり、ゲシピが運営している別のeスポーツ教室のコーチ陣のうち、英語を教えられる人材が参加している。
関連記事
- 「フォートナイト」が高齢者に人気? 「孫との話題が広がった」 60歳以上向けeスポーツ施設のいま
7月にオープンした60歳以上向けのeスポーツ施設。シニアには「フォートナイト」が人気という。会員の声や施設の今後を聞いた。 - JR東日本、千葉・松戸駅のエキナカにeスポーツ施設をオープン
JR東日本スポーツが、千葉県のJR松戸駅にeスポーツ施設をオープンする。 - ゲームで遊ぶと仕事力もアップ? FPSで「課題遂行能力」向上 レノボなど実験
FPSゲームをプレイすると、仕事や勉強などにも関係する「課題遂行能力」が向上するとレノボが発表。FPSプレイ前後に、課題遂行能力を測るテストを行ったところ、プレイ後の方が成績が良かったという。 - 凸版印刷、社内運動会をeスポーツに 新型コロナ対策で
凸版印刷が、eスポーツを活用した社内運動会を開催した。同社はこれまで、全社横断型の運動会を隔年で開催していたが、コロナ禍を受けてeスポーツイベントに変更したという。 - NTTドコモ、eスポーツ事業に本格参入 モバイル版「PUBG」のプロリーグ設立へ 賞金総額3億円
NTTドコモがeスポーツ事業に本格参入。まずはスマートフォン向けゲーム「PUBG MOBILE」のプロリーグを設立する。賞金総額は3億円で、参加チームやスポンサーも募集している。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.