Google、オーストラリアでも「News Showcase」を開始 首相は「建設的に話し合った」
オーストラリアから「サービスを引き上げざるを得なくなる」としていたGoogleが一転、同国でメディア支援プログラム「News Showcase」を開始すると発表した。モリソン首相とピチャイCEOが「建設的な」話し合いを行った成果とみられる。
米Googleは2月4日(オーストラリア東部標準時)、昨年10月に発表した「News Showcase」をオーストラリアでも開始したと発表した。オーストラリア政府とGoogleはメディアへの支払い義務付けを巡って対立していたが、解決したようだ。
オーストラリア政府とGoogleは、プラットフォーマーがコンテンツへのリンクを表示する際に対価を支払うことを義務付ける法案をめぐって対立していた。Googleは、法案を修正しなければGoogleサービスをオーストラリアから引き上げざるを得ないとまで表明していた。
だが、オーストラリアのスコット・モリソン首相は4日、Googleのスンダー・ピチャイCEOとのオンライン会議で「建設的な話し合い」を行ったと語った。オーストラリア側もGoogleの提案を検討したとみられ、12日には法案の修正案が公開される見込みだ。
News Showcaseは「高品質のコンテンツに対してパブリッシャー(ニュースメディア)に対価を支払うライセンスプログラム」。ライセンス契約したメディアの記事は、モバイル版Googleニュースの“ストーリーパネル”に表示される。
パネルに表示するコンテンツはメディア側がキュレーションできるので、Googleサービス上で自社メディアをブランディングできる。Googleは、パネルの記事要約をクリックするとメディアのサイトに直接異動するため、「メディアはユーザーに広告とサブスクリプションの機会を表示できる」とも説明する。
News Showcaseは現在、ドイツ、カナダ、英国などで提供しており、日本でも一部のメディアと契約済みという。1月末にはReutersのグローバル版とフランスのメディアとも契約した。
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「検索エンジンはコンテンツをタダで利用して利益を上げている」とする新聞社や雑誌社に対し、Googleは「読者を獲得するチャンスを提供している」と主張している。
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