COCOAの不具合検証、「正常に作動するようお手伝いしたい」 平井デジタル相
平井卓也デジタル改革担当相が政府の接触確認アプリ「COCOA」で発生した不具合について、検証に向けた技術的な支援を内閣官房IT総合戦略室(IT室)が担う可能性について言及した。
平井卓也デジタル改革担当相が2月12日の会見で、政府の接触確認アプリ「COCOA」で発生した不具合について、検証に向けた技術的な支援を内閣官房IT総合戦略室(IT室)が担う可能性について言及した。
平井大臣は厚労省担当の政府CIO補佐官から不具合に関するヒアリングを受けたことを明らかにした上で、「COCOAが正常に作動するようなお手伝いをしたい。厚労省から検証作業に関する詳細をあまり聞いていないが、検証には(IT室の)政府CIO補佐官が協力することになるのではないか」との見解を示した。
COCOAを巡っては3日、新型コロナウイルス陽性者と接触したユーザーへの通知が送られない不具合がAndroid版アプリで見つかった。2020年9月28日付で行われたアプリのアップデートが原因という。
こうしたことを受け、厚生労働省は2月中旬までにアプリを再リリースできるよう省内で検証に当たっている。現在、原因究明や今後、必要な対応などを検証しているといい、同省は「不具合の解消に向けて全力を挙げる」としている。
ただ、アプリ改修にはデジタル分野の専門知識を持った職員が必要なことから「IT室と協力する必要がある」とも話している。
iOS版の不具合について「可能性は十分ある」
会見では、報道陣からiOS版にも不具合があるのではないかとの質問が飛んだ。平井大臣は「(障害の)可能性は十分あり得るだろう」との認識を示し、「そうした可能性も含めて見ていく」とコメントした。
COCOAをボランティアで検証するグループ「openCACAO」のメンバーである中村良幸さんは自身のTwitterアカウントで「陽性者との接触から14日以上を経過しても元の画面に戻らないのはAndroidとiOS両方のCOCOAで起きる不具合」「iOS版のCOCOAで、同居人が陽性診断されてCOCOAで陽性者登録も行ったにもかかわらず一件の通知も出なかった」などと、iOS版の不具合を指摘している。
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