「人間よりAIの財務管理を信頼」、日本では9割超 オラクル調べ
日本オラクルが、米国や日本など14カ国の企業に属する管理職など計9001人を対象にした調査結果を発表。日本では、人間よりAI・ロボットの財務管理を信頼する人は全体の91%という数字が出た。
日本のビジネスパーソンや消費者のうち、人間よりAI・ロボットの財務管理を信頼する人は91%──日本オラクルは2月15日、こんな調査結果を発表した。同社は「コロナ禍で生じた金融不安により、財務管理で何を信頼して、誰に支援を求めるかが変化した」と分析している。世界では67%が「人間よりAI・ロボットの財務管理を信頼する」と答えた。
調査は米Oracleとマーケティングリサーチ会社の英Savantaが2020年11月10日〜12月8日に共同で実施した。対象は米国、中国、日本など14カ国の企業に属する管理職や一般消費者の計9001人(日本は計500人)。
調査によれば世界の管理職のうち、AIやロボットによる財務管理を自分より信頼しているのは全体の73%。自社の財務部門より信頼していると答えた人は77%だった。AIやロボットで財務関連の業務を改善できると考える人は全体の89%。改善できると思う業務は不正の検出(34%)、請求書の作成(25%)、コストや利益の分析(23%)が上位だった。
では、実際の財務管理にAI・ロボットを活用したい人はどれくらいいるのか。AIやロボットに財務管理を支援してほしいと考える管理職は全体の85%。サポートを受けたい業務(重複回答あり)は、承認作業(43%)、予算の編成と予測(39%)、レポートの作成(38%)などが上位だった。
一般消費者では、AI・ロボットを自分より信頼しているのは全体の53%。財務管理にAIやロボットが役立つと考える人は66%だった。役立つと思う用途は不正の検出(33%)、支出削減の支援(22%)、株式への投資(15%)が上位だった。すでに財務管理にAIやロボットを活用していると答えた人は、管理職では51%、消費者では27%だった。
結果を受け、オラクルは「ファイナンシャルアドバイザーや企業の財務担当者は変化を受け入れ、新たなスキルを身につける必要がある」としている。
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