「GIGAスクール構想対象自治体の約半数がChromebookを選択」とGoogle
Googleが教育者対象のオンラインイベント「Learning with Google」を開催し、「Google for Education」の50以上の新機能を発表した。その中で、日本の文科省によるGIGAスクール構想対象自治体の約半数がChromebookを採用したと語った。
米Googleは2月17日(現地時間)、教育者対象のオンラインイベント「Learning with Google」を開催し、「Google for Education」の50以上の新機能を発表した。コロナ禍に見舞われたこの1年でオンライン教育の需要が急激に伸びたため、それに対応する取り組みを多数打ち出した。
スンダー・ピチャイCEOはイベントの冒頭で「たとえパンデミックが終わろうとも、どこからでも学べる環境の必要性は変わらない。われわれは(このコロナ禍で)学ぶ環境について再考する機会を得た。そこで昨年、われわれは学習と教育を重点エリアとした」と語った。
このイベントの日本向け説明会でGoogle for Educationアジア太平洋地域マーケティング統括本部長のスチュアート・ミラー氏は、「文科省が推進する『GIGAスクール構想』の対象自治体の約半数がChromebookを選択した」と話した。
多数の発表の中から、この他の重要なものを幾つか紹介する。このイベントの動画は20日以降に録画で見られるようになる見込みだ。
Google Workspace for Education(旧G Suite for Education)が4エディションに
法人向けオフィススイート「G Suite」が昨年10月に「Google Workspace」にリブランドしたのと同様に、教育向け「G Suite for Education」も「Google Workspace for Education」になった。
このサービスは、学習管理システム(LMS)の「Google Classroom」、Web会議ツール「Google Meet」、Gmail、Googleドライブ、Googleドキュメント、Googleスプレッドシート、Googleスライドで構成されるスイートだ。
エディションが4つ(無料のFundamentals、生徒1人当たり月額30円のStandard、教職員向け機能に特化し、1ユーザー当たり月額480円のTeaching and Learning Upgrade、生徒1人当たり月額50円のPlus)になった。StandardではGoogleのセキュリティセンターが利用でき、監査ログや高度なモバイル管理機能の利用も可能。Teaching and Learning Upgradeではそれに加えてGoogle Meetの高度な動画通信機能が利用できる。ハイエンドなPlusは高度なセキュリティと分析、学習機能を備えた最も包括的なエディションだ。
Google Classroomで生徒のアクティビティチェックも可能に
Google Classroomは2014年から提供している教育向けサービス。当初の目標は、教師と生徒によるファイル共有の合理化だった。近年このサービスを包括的な学習管理システム(LMS)として採用する教育機関が増えており、コロナ禍でユーザー数は1年前の4000万人から1億5000万人に急増したという。
主な新機能として、サードパーティーの教育ツールを簡単に統合するための「アドオン」機能、クラスから生徒が削除されたりクラスがアーカイブされたりすることを確認できる「監査ログ」、生徒のアクティビティをチェックできるアクティビティログ機能、十分な接続環境を持たない生徒がオフラインでも作業できるようにする機能などが紹介された。
Google Meetは教師が参加するまで始まらない
教育向けGoogle Meetには、クラスの生徒以外が参加できないようにする機能や、教師が参加するまで授業が始まらず、教師が退出した後にだらだら雑談できないよう終了する機能などが追加された。
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Chromebookで画面記録が可能に
安価でネット接続に特化したノート端末「Chromebook」は、コロナ禍で世界の教育機関での採用が急増している。Googleは、2021年にはLTE搭載モデルを含む40以上の新機種が各メーカーから発売されると語った。
Chromebookの新機能としては、「画面記録ツール」が発表された。Chromebookの画面下部にカメラやビデオカメラのアイコンが表示され、ビデオカメラのアイコンをクリックすると、その後の操作を録画してくれる。教師はこの機能で簡単に解説動画を作れそうだ。この機能は3月に予定しているChrome OSのアップデートで追加される見込みだ。
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