ニュース
AIが肩・肘の可動域を動画から自動測定 リハビリに活用 富士通が開発
富士通が、AIを活用して動画から肩や肘の可動域を自動測定するサービスの販売を始めた。整形外科やリハビリ現場での利用を見込む。価格は86万円(税別)
富士通は2月24日、AIを活用して、タブレット端末などで撮影した動画から肩や肘の可動域を自動測定するサービス「HOPE ROMREC」(ホープ ロムレック)の販売を始めた。整形外科やリハビリ現場での利用を見込む。価格は86万円(税別、以下同)。
AIは、人間の肩と肘関節の動作パターンを学習させた画像認識モデルを複数組み合わせて開発した。患者が関節を動かす様子をタブレット端末のカメラなどで撮影し、AIを搭載したPCにデータを送ると、映像から患者の骨格を自動で推定。肩・肘の曲がる角度を方向別に計16通り測定する。
これまで関節の可動域を自動計測する際は、加速度センサーや赤外線レーダー、目視の場合は「ゴニオメーター」と呼ばれる機器が必要だった。HOPE ROMRECの場合はタブレットだけで計測でき、これらの装置を用意する手間などが省けるという。
肩・肘以外の関節の可動域の測定をサポートするオプションとして、目視で測った数値を音声でタブレットに入力できる機能も86万円で提供する。測定した値をメモする必要がなくなるため、ゴニオメーターを使った計測を効率化できるという。
今後は肩・肘以外の関節の可動域も自動で測定できるよう、AIの開発を進める。富士通は、2024年度末までにAIと音声入力機能のセットを計350件提供するとしている。
関連記事
- 教師データ1個で精度90%以上の行動分析AI 富士通が開発、製造業向けに
富士通研究所が、製造現場の作業員を記録した映像から「部品を取る」「ネジを締める」などの個別の行動を自動で認識するAI技術を開発したと発表した。教師データを1組学習させるだけで、90%の精度で行動分析できたという。 - 津波の浸水被害をリアルタイム予測するAI、富士通が富岳で開発 一般PCで動作
富士通研究所が、津波による沿岸部の浸水状況を高精度かつリアルタイムに予測するAIを開発したと発表した。教師データの作成と学習にスーパーコンピュータ「富岳」を活用しており、予測は一般的なPCでも数秒で実行できるとしている。 - 「健康になるにはどうすれば?」 目標実現の道のりを教えるAI、富士通が開発
富士通研究所が北海道大学と共同で、目標実現に向けてユーザーが取り組むべき行動を提示するAIを開発した。 - 富士通、AIで看護師の業務量を予測する研究スタート 新型コロナ重症化リスクを判別
富士通と東京医科歯科大学が、新型コロナウイルス感染症の対応にあたる看護師の業務量をAIで予測する研究を始めた。 - 横浜で“レジなしコンビニ”の実験 AIで商品を判別、持ち出すと自動決済
富士通が横浜で“レジなしコンビニ”の実験。店内ではAIで商品を判別。顧客が商品を手に取って店を出ると、代金を自動で決済する。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.