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新型コロナワクチンの取引がダークウェブで横行? カスペルスキーが調査
カスペルスキーが、新型コロナウイルスのワクチンが、ダークウェブで取引されているとする調査結果を発表。闇市場で米Pfizer製などのワクチンに関する投稿や広告が見つかったという。
新型コロナウイルスのワクチンが、ダークウェブで取引されている──カスペルスキーは3月5日、こんな調査結果を発表した。ダークウェブ上にある15種類の闇市場を調査したところ、米Pfizer、独BioNTech、英AstraZeneca、米Moderna製のワクチンに関する投稿や広告が見つかったという。
1回分の価格は約2500円から13万円ほどで、ビットコインなどの仮想通貨で支払いを受け付けているという。偽のワクチン接種証明書を約2000から7000円で販売している例も発見した。カスペルスキーは「証明書があれば、人によってはロックダウン下でも移動しやすくなる」とした上で「証明書の需要に詐欺師が便乗している」と指摘した。
売り手はフランス、ドイツ、英国、米国に在住しているケースが多く、取引には「Wicker」や「Telegram」などトーク内容を暗号化できるメッセージアプリが使われていた。カスペルスキーによれば、売り手の多くはこのような取引を100回から500回に渡って繰り返していたという。
カスペルスキーはダークウェブでのこうした取引について「実際に何かを受け取れるかどうか、誰も確信できない。ましてや適切に保管され、接種しても安全な本物のワクチンが本当に届く確証はない」としており、正規の方法で本物のワクチンが接種できるタイミングを待つよう呼び掛けている。
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