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「シン・エヴァ冒頭」に見る現代のテクノロジー 裏表のあるUSB端子はやはりギルティ?(4/4 ページ)

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アスカが手にするゲーム機は「ワンダースワン」×「ピピンアットマーク」?

 冒頭で描かれるエヴァについてもテクノロジー面から考えられることはあるのだが、記事も長くなってしまったのでこれについては割愛し、アスカが持つ端末に少し触れて終わりにしたい。

 エヴァ同士のバトルシーンが終わった後、オープニングムービーの背景では無気力そうなシンジと黒いスーツの綾波レイを連れて、アスカが赤い大地を歩いている。

 このとき、アスカはモバイルゲーム機のようなものを両手に持っている。


赤く染まった街を歩く3人(『これまでのヱヴァンゲリヲン新劇場版』+『シン・エヴァンゲリオン劇場版 冒頭12分10秒10コマ』より (c)カラー) アスカはモバイルゲーム機のようなものを持っている

 このゲーム機は、「破」での描写から、バンダイが1999年に発売したモバイルゲーム機「ワンダースワン」のような何かではないかと考えられる。

 「破」ではアスカが持っている状態で端末の背面が細かく描かれており、その形状やバンダイのロゴからワンダースワンらしいことが分かっていた。「らしい」というのは、デザインとしてはほぼワンダースワンそのものではあるものの、バンダイの他に「PIPPIN」(ピピンアットマーク、バンダイと米Appleが共同開発したコンシューマーゲーム機)の文字もあるからだ。


「破」でアスカが持っていた端末(『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』より (c)カラー) 拡大するとバンダイのロゴやPIPPINの文字などが見える

 文字の配置デザインは「iPod」や「iPhone 3GS」などの背面をほうふつとさせる。データ保存容量も「256GB」と書いてあるように見える。

 ピピンなどMac OS(現在のmacOS)をライセンスした製品は、現実世界ではスティーブ・ジョブズにより全て開発が終わってしまった。新劇場版は、ジョブズがAppleに復帰せず、バンダイとAppleがゲーム専用機で覇権を握った世界線なのかもしれない。

 背面の描写からここまでは分かるものの、前面がどうなっているかは詳しく描かれておらず、Qやシン・エヴァ冒頭でも分からないままだ。

 実は、シン・エヴァ本編ではこの端末がもう少し詳しく描かれることになる。ワンダースワン(らしきもの)がどんなものなのか、あるいは他にどんな技術や製品が出てくるかを気に留めながら映画を見てみるのも、デジタルガジェット好きなら一興だろう。

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