ヤフー、4月からECサイトの配送料を全国一律に 打倒アマゾン・楽天へ、業界3位から巻き返し狙う
ヤフーとヤマト運輸は、ヤフーが運営するECサイトの配送料や配送方法を見直すことで、EC業界での競争力を強化する。現在「業界3番手」と自社サービスを認識するヤフー。先行するアマゾンジャパンや楽天に対し、巻き返しを狙う。
ヤフーとヤマト運輸は、ヤフーが運営するECサイトの配送料や配送方法を見直すことで、EC業界での競争力を強化する。現在「業界3番手」と自社サービスを認識するヤフー。先行するアマゾンジャパンや楽天に対し、巻き返しを狙う。
2社は3月10日、ECサイト「Yahoo!ショッピング」「PayPayモール」に出店するストア向けに、これまでサイズ別配送料の全国一律化や、当日配送への対応などを発表した。
ヤフーの各ECサイト向けに提供していた、商品の受注から出荷までを代行するサービスを4月からリニューアル。これまでサービスの利用に必要だった書面手続きを廃止しオンライン化するとともに、配送料金の全国一律化にも対応した。注文当日の配送には5月から首都圏で順次対応するとしている。
配送料金は投函サイズで179円(税別、以下同)、宅急便サイズは382円から。「今回は他社と比較しても競争力がある価格で提供している。市場も意識し、戦える料金に設定した」(ヤマト)、「(全体的に)値下げ感があるとの声が出店者から上がると思う」(ヤフー)と、両社は自信を見せる。
「周回遅れ」といわれる配送面をヤマトと改善
ヤフーとヤマト運輸が協業を進める背景には、EC分野で楽天やAmazonの後じんを拝してきたというヤフーの課題意識がある。
特に配送面では2社に後れを取っているといわれていた。ヤフーの山下滋事業開発室長(ショッピング統括本部)は「配達に対しては後手、周回遅れになっている。改善すべきという意識は経営陣も同じ思いだ」と現状の課題を指摘。「業界3位なのでチャレンジャーであることに変わりはない。チャレンジャーの気持ちの下、さまざまな施策を打っていきたい」とし、新サービスでの巻き返しに意欲を示した。
シェア拡大に向け、今後の課題は採算性だ。全国一律料金の導入は消費者や出店ストアの視点では利便性向上につながる一方、遠方への配送になれば距離に比例してコストもかさむ。一律料金の導入に向けてはヤフー側の一部負担があるのではないかとの指摘が報道陣から出た。
ヤマトは「詳細は差し控える」としつつも「サービスとして提供するので採算は取れる前提で提供している」と強調。ヤフーとヤマトは今後、1万社の利用を目指すことで、採算性の向上を図る。なお、同サービスの現在の利用店舗数は明らかにしていない。
利用増による配送現場の負担について、ヤマトは「昨年からECへの拡大に向け、体制をしっかり拡大している。ヤフーの荷物を受け入れても危機的状況にはならない」とした。
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