“ARお絵かき”が進化? 現実に置かれた物体と連動する技術「RealitySketch」 Adobeなど開発:Innovative Tech
現実とバーチャルのインタラクションを簡単に行えるようにする取り組み。
Innovative Tech:
このコーナーでは、テクノロジーの最新研究を紹介するWebメディア「Seamless」を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。
カナダ・カルガリー大学、米AdobeのResearch部門、米コロラド大学ボルダー校による研究チームが開発した「RealitySketch」は、スケッチしたARコンテンツと物理オブジェクトが連動し、動的な相互作用を可能にするツールだ。
現実世界上にARでスケッチする場合、スケッチした後のオブジェクトは浮いたままか、せいぜい自動アニメーションが再生されるくらいだった。RealitySketchは、スケッチした後に現実世界の物を動かすと、ARコンテンツが連動して動作する仕組みだ。
最初に追跡したい物理オブジェクトを選択しトラッキングを開始、次に線や円弧を描くことで現実世界をパラメーター化し要素間を関連付けることで、長さや角度など物理オブジェクトが移動したときのARコンテンツの動作を定義する。これにより、実際に物理オブジェクトを操作した際に、ARコンテンツも連動して動作するようになる。
現実世界での表面検出とオブジェクト配置の両方にAppleのARKitとSceneKitを活用。このフレームワークを使うため、プロトタイプはiOSをサポートするモバイルデバイス上で構築する。
このツールの活用例として、滑車や台車などで移動距離や軌跡を視覚化し理解を深める教育ツール、身体の角度やボールの軌跡を視覚化することでスポーツやエクササイズの動きを解析する分析ツール、バーチャルキャラクター制御での動的パラメーター利用などを挙げている。
関連記事
- 表と裏を独立検知できる布地タッチセンサー Google、「ZebraSense」開発
表裏のセンサーを交互に組み込むことで、表からも裏からも操作可能。 - 協調して動く球体ロボット群「FreeBOT」 くっついたり離れたり、転がったり壁を登ったり
自律システムの構築も目指す。 - レトロゲーム機でレトロゲームを自作 Microsoftが「TileCode」開発
「ツクール」など同種のものはあるが、今回はMSが構築した。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.