ニュース
オンキヨー、7月末に上場廃止へ 資金調達に奔走も債務超過を解消できず
オンキヨーホームエンターテインメントが、7月末に上場廃止となる見通しを発表。2020年3月期末からの債務超過が解消できず、3月31日まで債務超過の解消に向けて資金調達を行っていたが、解消まで23億1900万円足りなかった。
オンキヨーホームエンターテインメントは3月31日、7月末に上場廃止となる見通しを発表した。2020年3月期末(19年4月〜20年3月)からの債務超過が解消できず、2021年3月期(20年4月〜21年3月)の最終損益は59億8000万円の赤字に。31日まで債務超過の解消に向けて資金調達を行っていたが、解消まで23億1900万円足りなかった。
オンキヨーグループは継続する経常損失によって取引先への債務の支払いが遅延していた。19年には投資会社の米Viper HoldingsにホームAV事業を売却し、財務状況を健全化する計画を進めていたが、協議が難航したことから中止。20年10月に組織再編を行うなど、経営の立て直しを図っていたが、コロナ禍により商品の生産・販売や部品の供給に悪影響が出ており、業績の悪化が続いていた。
21年3月15日にはオーエス・ホールディング(東京都港区)などを引受先に第三者割当を行うも債務超過の解消には至らず、ケイマン諸島の投資ファンドEVO FUNDと新株予約権の買い取りに向けた協議を進めていたが、31日に出資が行われないことが決まったという。
東京証券取引所は31日にオンキヨーの株式を監理銘柄に指定。6月25日に同社が提出する有価証券報告書を確認し、1カ月程度株式を整理銘柄に割り当てた後、上場を廃止するとしている。
関連記事
- オンキヨー、ホームAV事業を譲渡へ デノン・マランツの米Sound Unitedと交渉
オンキヨーが主力のホームAV事業を譲渡へ。DENONやMarantzブランドを保有する米Sound Unitedなどと協議を始めた。譲渡後は、デジタルライフ事業とOEM事業に注力する。 - パイオニアが投資ファンドに身売り、上場廃止へ
パイオニアが投資ファンドのプライベート・エクイティ・アジア(BPEA)の支援を受け、子会社になると発表した。パイオニアは上場廃止となる見通し。 - ギブソン破産、ティアックやオンキヨーへの影響は
Gibson Brandsが5月1日付で米国連邦破産法第11章(チャプター11)申請を行ったという。これを受け、ギブソン子会社のティアック、業務資本提携を行っていたオンキヨーが相次いで声明を発表した。 - 遠隔地から心音を聞く「デジタル聴診器」、オンキヨーが開発へ 対面せずにコロナ患者など診察
オンキヨーが、医師が遠隔地から患者の心音などを聞ける「デジタル聴診器」の開発を始める。新型コロナウイルス感染症などの診察を効率化する効果を見込んでおり、2021年春の事業化を目指す。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.