ニュース
理研と富士通、量子コンピュータの研究拠点を埼玉に開設 実用化に向け試作機など開発
理化学研究所と富士通が、量子コンピュータの実用化に向けた研究を行う開発拠点「理研RQC-富士通連携センター」を開設。1000量子ビット級の超伝導量子コンピュータの開発に向け、実機の開発などに取り組む
理化学研究所と富士通は4月1日、量子コンピュータの実用化に向けた研究を行う開発拠点「理研RQC-富士通連携センター」を埼玉県和光市に開設したと発表した。
理研が同日に開設した「量子コンピュータ研究センター」内に設置。1000量子ビット級の超伝導量子コンピュータの開発に向け、実機の開発や、動作に必要なソフトウェアの開発、周辺部品の品質向上や小型化などに取り組む。開発した試作機を使い、演算中に発生するエラーの検出や緩和に向けた実証実験も行う。
富士通は、多数の組み合わせから最適なものを選ぶことに特化したアルゴリズム「量子アニーリング」を従来のコンピュータでまねた「デジタルアニーラ」を2016年に開発。創薬や物流など、組合せ最適化が課題となる問題の解決に取り組んできた。
一方で、20年3月には量子力学を活用したデバイスの開発に向け、理研や東京大学との共同研究をスタートするなど、量子コンピュータの実現に向けた取り組みも行っている。
関連記事
- 東芝、“疑似量子トンネル効果”で組合せ最適化計算を高速・高精度化 「世界最速・最大規模」うたう独自の量子コンピュータ発アルゴリズムを開発
東芝が、「組合せ最適化問題」をより高速に計算するアルゴリズムの改良版を発表した。「世界最速・最大規模」(同社)をうたう。2021年中に、同アルゴリズムを搭載したハードウェアやクラウドサービスの提供を目指す。 - 量子コンピュータ、直近数年の活用シーンは? 量子ベンチャーblueqatの湊CEOに聞く
AIベンチャーでの経験からAIについて情報発信を続けてきたマスクド・アナライズさんの新連載。今回は量子コンピュータを扱うベンチャーblueqatの湊雄一郎さんに、量子コンピュータビジネスの今や将来の話を聞いていきます。 - IBMの量子コンピュータ、日本上陸に遅れ 21年稼働に予定変更
米IBMの量子コンピュータ「IBM Q」の日本での稼働開始が遅れていることを、日本アイ・ビー・エムが明かした。当初は20年中に開始する予定だったが、新型コロナウイルス感染症の影響で予定に遅れが発生したため、21年に稼働を始めるとしている。 - ノイズがある量子コンピュータをどう使いこなすか 慶應大が金融や化学、AI分野の研究成果を発表
慶應大は、慶應義塾大学量子コンピューティングセンターの最新の研究成果として、金融や化学、暗号、AIなどの分野でノイズのある量子コンピュータを活用する手法を発表した。 - 中国科技大、光量子コンピュータで「量子超越性」を実証 スパコン富岳で6億年かかる計算を200秒で
中国科技大の研究チームが、従来のスパコンより量子コンピュータの計算能力の方が上回ることを示す「量子超越性」を光量子コンピュータで実証した。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.