ニュース
数秒のサンプルで動画から「うずくまる」「倒れ込む」動きを検出 NECがAI活用の新技術
NECが、AIを活用してカメラの映像から「うずくまる」などの動作を見つけ出せる技術を開発。参考として、AIに数秒のサンプル映像を読み込ませるだけで、被写体の向きや大きさが違っても目的の行動を見つけ出せるという。
NECは4月5日、AIを活用してカメラの映像から「うずくまる」「倒れ込む」などの動作を見つけ出せる技術「オンデマンド行動検出」を開発したと発表した。事前に検出したい動作の参考として、AIに数秒のサンプル映像を読み込ませるだけで、被写体の向きや大きさが違っても目的の行動を見つけ出せるという。
監視カメラなどで撮影した映像と、サンプル映像に映っている人物の骨格の動きと照らし合わせて似た動きを検出する。ライブ映像からリアルタイムで動作を検出することも可能という。
うずくまる、倒れ込む以外にも「ボールを投げる」「手をアルコール消毒する」といった動作を検出できる。NECはこの技術の活用で、介助が必要な人や手指の消毒を行っていない人などを、商業施設などに設置したカメラの映像から速やかに見つけ出せるとしている。
これまで、AIを活用して映像から特定の行動を検出するには、AIに大量のデータを学習させる必要があり、準備などに時間がかかっていた。オンデマンド行動検出は少ないデータで目的の動作を検出できるため、これらの手間を減らせるという。
NECは今後、見守りサービスや映像編集といった分野での活用を目指し、実証実験を進めるとしている。
関連記事
- 教師データ1個で精度90%以上の行動分析AI 富士通が開発、製造業向けに
富士通研究所が、製造現場の作業員を記録した映像から「部品を取る」「ネジを締める」などの個別の行動を自動で認識するAI技術を開発したと発表した。教師データを1組学習させるだけで、90%の精度で行動分析できたという。 - AIが肩・肘の可動域を動画から自動測定 リハビリに活用 富士通が開発
富士通が、AIを活用して動画から肩や肘の可動域を自動測定するサービスの販売を始めた。整形外科やリハビリ現場での利用を見込む。価格は86万円(税別) - ソフトバンク、AIで手話をテキスト化するツール 健常者と聴覚障害者のコミュニケーションを円滑化
ソフトバンクと電気通信大学が、AIを活用して手話をテキスト化するツール「SureTalk」を開発。ビデオ通話と組み合わせることで、健常者と聴覚障害者の円滑なコミュニケーションに役立つという。 - 動画から手の動きを3Dデータ化、ハンドジェスチャーも認識 英ICLなどが開発
手の指の動きも忠実に読み取る技術。 - 正しい手洗い判定AI、富士通が開発 食品事業者の手洗い確認を自動化
富士通は、AIを活用してカメラで撮影した映像から正しい手洗いができているかを判定する映像認識技術を開発したと発表した。食品を扱う事業者の手洗い確認を自動化して、手洗いの実施漏れや目視による確認業務の負荷を軽減する。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.