AT&T、WarnerMediaをスピンオフし、Discoveryに統合
AT&Tが850億ドルで買収したWrnerMediaをスピンオフし、Discoveryと統合する新会社が誕生する。AT&Tはこれにより430億ドルを得て5Gなどの設備投資を強化する。
米通信大手のAT&Tは5月17日(現地時間)、2018年に850億ドルで買収したWarnerMedia(当時はTime Warner)をスピンオフし、米テレビ企業Discoveryと統合して新会社を設立すると発表した。米Netflixの「Netflix」や米Walt Disneyの「Disney+」などと競合する新サービスを立ち上げる狙いだ。取引は2022年半ばに完了の見込み。
これにより、WarnerMediaが保有するHBO、CNN、カートゥーンネットワーク、TBS、TNT、「ハリー・ポッター」シリーズや「バットマン」などで知られる映画部門のWarner Brothersと、DiscoveryのHGTV、Animal Planet、Food Network、TLCなどのネットワークが統合される。両社には現在それぞれ、「HBOMax」と「Discovery Plus」というストリーミングプラットフォームがある。
取引はすべて株式で行う。AT&Tは現金、負債証券の組み合わせで430億ドルを受け取り、新会社(名称は未発表)の71%の株式を取得する。Discoveryは残りの29%を取得する。
米Financial Timesによると、新企業は企業価値1320億ドルの、Disneyに次ぐ世界第2位のメディア企業になるという。
AT&Tはこれにより、5Gおよびファイバーブロードバンドへの設備投資を強化するとしている。
AT&Tは2月には2014年に485億ドルで買収した衛星放送のDIRECTVを163億ドルでスピンオフした。
AT&Tと競合する米Verizonも今月初頭、メディア部門のVerizon Mediaをスピンオフすると発表した。同社も数年前から段階的にメディア事業を縮小していた。
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