JAXAの「変形する月面ロボット」 タカラトミー開発協力の背景に「アイソボット」
JAXA(宇宙航空研究開発機構)は5月27日、タカラトミーなどと共同開発した「変形型月面ロボット」を月面でのデータ収集に活用すると発表した。直径約8センチの球形で、動くときには球体が左右に割れて中からカメラが起き上がる。
JAXA(宇宙航空研究開発機構)は5月27日、タカラトミーなどと共同開発した「変形型月面ロボット」を月面でのデータ収集に活用すると発表した。タカラトミーの公式アカウントが「嘘みたいな本当の話」と伝え、Twitterでは「変形といえばタカラトミー」「トラスフォーマー?」などと盛り上がっている。
変形型月面ロボットは、直径約8センチの球形。動くときに球体が中央で割れて左右に延び、中からカメラが起き上がる仕組み。背後に伸ばしたスタビライザーでバランスをとり、外装をタイヤ代わりに回転させて移動する。
JAXAはispaceが2022年に実施する月着陸ミッションを活用し、実際に月面を走らせる考え。月面ロボットは自走しながら写真を撮り、「レゴリス」と呼ばれる月の表面を覆う砂の挙動などを調べる。集めたデータはJAXAがトヨタ自動車と開発している「有人与圧ローバ」の改良に役立てる。
変形型月面ロボットは2016年からJAXAとタカラトミーが共同研究してきたもので、19年にソニー、21年に同志社大学が加わった。ソニーは制御技術を提供している。
研究代表者を務める同志社大学の渡辺公貴さん(生命医科学部教授)も前職はタカラトミー。動物型ロボット「マイクロペット」(2001年)や2足歩行ロボット「Omnibot 17μ i-SOBOT」(2007年)などを手掛け、それぞれギネスブックに登録された(世界最小の動物型ロボット、世界最小の販売している二足歩行ロボットとして)。
タカラトミー在籍中にJAXA宇宙探査イノベーションハブの超⼩型変形月面ロボットの共同研究に携り、現在も共同研究を続けている渡辺さんは、変形型月面ロボットについて「若い⼈たちの科学技術への興味に繋がれば幸い」と話している。
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