AIで「実在しない男性モデルの画像」を生成 「INAI MODEL」がラインアップ拡充
イメージナビが、AIを活用して実在しないモデルの画像を作成するサービス「INAI MODEL」に、男性モデルを追加した。従来と同じく、Web広告やポスターなどでの利用を見込む。
ストックフォトサービスを手掛けるイメージナビ(札幌市)は6月1日、AIを活用して実在しないモデルの画像を作成するサービス「INAI MODEL」に、男性モデルを追加した。これまで女性の画像のみ提供していたが、AIのアップデートを重ね、男性の場合でもクオリティーを維持できると判断したことから販売を決めたという。従来と同じく、Web広告やポスターなどでの利用を見込む。
INAI MODELでは、実在する人物の写真を利用許諾を得た上で撮影。AIで顔部分を加工して架空のモデル画像を生成する。開発にはAIベンチャーのデータグリッド(京都市)が協力。画像を生成するAIと画像がAIによるものか評価するAIを戦わせることで精度を向上させる技術「GAN」(敵対的生成ネットワーク)を活用している。
モデルが実在しないため、一度購入すれば契約期間を気にせず永久に画像を使える他、モデルがスキャンダルを起こすリスクがなく、差し替えが発生しないという。ただし著名人に似せた画像は生成しない他、反社会的な用途での利用も認めない。
男性モデルの場合、顧客が持ち込んだ人物画像の顔をAIで加工し、架空のモデルとして仕上げるプランを提供する。価格は発注する件数などに応じて個別に設定する。日本人に加え、外国人の画像を作成できるが、顔から下の利用許諾については顧客が被写体と交渉する必要がある。今後は女性の場合と同様、画像を同社のストックフォトサイト「imagenavi」で販売することも検討する。
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