慶應大、一部の入試フローをオンライン化 “世界標準”のシステムで海外学生の獲得目指す
慶應義塾大学は、経済学部の志願者募集の一部に、志願者が大学を横断して出願できるオンラインシステム「The Admissions Office」を導入すると発表した。英語にも対応するシステムで外国籍学生の獲得を狙う。
慶應義塾大学は6月2日、経済学部の志願者募集の一部に、志願者が大学を横断して出願できるオンラインシステム「The Admissions Office」(TAO)を導入すると発表した。日本語の他に英語にも対応するシステムで、外国籍学生の獲得を狙う。
TAOは、教育システム企画・開発事業を行う、アドミッションズオフィス(東京都千代田区)が開発・提供する大学入試フローの管理システム。願書提出の手続きから選考書類の提出、合格発表までの一連の入試フローをオンライン上で一括管理できるという。学生は1つのフォームから複数の大学に出願できるのが特徴。
同社は「日本の大学入試のプロセスは、大学や学部、入試方式によって異なり、海外に比べて複雑」と指摘する。TAOは海外の大学の出願方式と同様のため、日本の大学入試を受けたい海外の志願者の課題を解決できるとしている。
慶應大は、英語でのコミュニケーションをベースとする経済学部のPEARL(Programme in Economics for Alliances, Research and Leadership)プログラムにTAOを導入。21年10月からTAOでの志願者の募集を始める。同プログラムは全世界の学生を対象として志望者の募集しており、3期までの全志願者のうち、外国籍志願者の比率は51%という。
現在、TAOに参画している学校には、京都先端科学大学や早稲田大学など6校がある。アドミッションズオフィスは今後、他の大学とも連携してフォームの共通化を進め、アジアの大学のための入試コンソーシアムを形成するとしている。
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