Fastlyの大規模障害、原因はソフトウェアのバグ 提供会社が説明
CDN(Content Delivery Network)「Fastly」の世界規模での障害について、提供元の大手CDNプロバイダー米Fastlyは、同社が5月に導入したソフトウェアに原因があったと発表。特定の条件下でバグが発生するようになっていたという。
CDN(Content Delivery Network)「Fastly」の世界規模での障害について、提供元の大手CDNプロバイダー米Fastlyは6月8日(現地時間、以下同)、同社が5月に導入したソフトウェアに原因があったと発表した。特定の条件下でバグが発生するようになっていたという。
Fastlyによれば、8日未明に「ある利用者がバグを引き起こす設定変更を行った」という。これにより、同社のネットワークの85%でエラーが発生。障害につながったとしている。
Fastlyは障害の発生後、1分で問題を検知し、その設定を無効化。49分以内にネットワークの95%を復旧したとしている。バグの修正プログラムも適用済みという。
バグについて同社は「今回の障害は広範囲かつ深刻なもの。特定の条件で発生するバグであっても、われわれは先読みして手を打つべきだった。心よりおわびする」と謝罪。今後、ソフトウェアの品質テストの過程でバグを検出できなかった原因の究明とともに、障害対応の事後検証を進める方針。ネットワーク回復までの時間を短縮する取り組みも行うという。
CDNとは、ユーザーがWebサイトにアクセスした際に、Webサイトの手前に配置した複数のキャッシュサーバが、サーバ本体に代わってコンテンツを配信する技術を指す。アクセスを分散できる他、通信経路を独自の配信ネットワークで最適化でき、Webページの表示速度向上も見込めるため、常に大量のアクセスがあるECサイトやニュースサイトといったサービスで活用されている。
Fastlyは2011年創業。日本では東京と大阪に拠点があり、同社の公式ページによれば、日本経済新聞社、メルカリ、クックパッドに加え、海外では米Airbnb、米GitHub、米The New York Timesなどが主な取引先だという。
8日に発生したFastlyの障害で、日本ではメルカリ、note、日本経済新聞電子版、Paravi、TVerなどが影響を受けた。
【訂正:2021年6月10日午前11時50分 当初「1分で原因を特定し」としていましたが、正しくは「1分で問題を検知し」だったため訂正しました。】
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