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東大図書館など1300施設が使う蔵書検索システムが36年ぶりに刷新 電子資料に対応
国立情報学研究所(NII)は6月17日、東京大学総合図書館など全国1336施設が利用する蔵書検索システムを刷新すると発表した。1985年の運用開始以来、初めてシステムを更新し、電子化された資料にも対応するという。
国立情報学研究所(NII)は6月17日、東京大学総合図書館など全国1336施設が利用する蔵書検索システム「NACSIS-CAT/ILL」(ナクシスキャットアイエルエル)を刷新すると発表した。1985年の運用開始以来、初めてシステムを更新し、電子化された資料にも対応するという。
NACSIS-CAT/ILLは、利用している機関同士で施設を横断して資料の情報を検索したり、貸借を依頼したりできるシステム。東京大学に加えて日本体育大学、東京国立博物館、文部科学省図書館などが保有する約1301万件の書誌と約1億4700万の資料を管理しており、研究者や学生が学術資料を探すときに活用されている。
まずは2022年第2四半期をめどに、これまで対応していなかった電子媒体の資料を管理できる機能を追加。国内外の出版社・学会などから許諾を得られたデータも利用できるようにする。23年第1四半期には、米国の議会図書館などが採用する書誌データ保存のフォーマット「BIBFRAME」にも対応。旧システムの運用も当面は継続する。
NIIによれば、近年は研究や学生への教育でもデジタル化された資料の活用が進んでおり、対応が急務だったという。システムの刷新に当たっては紀伊國屋書店、教育機関向けのクラウドサービスなどを提供するイスラエルEx Libris、米国の図書館組合OCLCなどが協力する。
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