公道で走れる最大時速45kmの電動キックボード 乗って分かった魅力と課題(3/3 ページ)
最大時速45kmのパワーを持つ電動キックボード「FreeMile plus」。交通安全上の懸念が注目される電動キックボードの中でも、最高速度が大きい本モデルを試乗し、乗り心地や危険性を確かめた。
「徒歩以上・自転車未満」ではなくバイクの代用に?
安定した走りが特徴のFreeMile plus。しかし、電動キックボードは短い距離を徒歩や自転車より楽に移動できる方法として注目が集まったモビリティだ。時速45kmを出せるパワーやサドルを付けて走れる特徴は、短距離の移動では持て余すのではないか。
「従来の電動キックボードと違い、通学や通勤時、10数kmを移動するバイクのような用途を想定している。私も通勤用の乗り物として使っている」(三本さん)
三本さんによれば、FreeMile plusはすでに1000台近くを売り上げているという。他社ECサイトでの販売を始めた経緯については、電動キックボードの普及や法整備を受けて、電動モビリティを販売する特設ページを立ち上げた+Style運営元の呼び掛けに応じたとしている。
電動キックボードの現状には懸念も
さらなる展開に向けて販路を拡大したFreeMile plus。しかし三本さんは、電動キックボードの現状に懸念もあると話す。
「国土交通省の保安基準では、電動キックボードディスクブレーキやドラムブレーキなど、物理的な機械式のブレーキを搭載することが定められている。しかし量販店やクラウドファンディングサイトなどでは、足で勢いを止めるフットブレーキや、モーターの電気を止める電磁ブレーキを搭載した機器が流通している。だがナンバープレートを管轄しているのは(各自治体の)軽自動車税を扱う課なので、現状ではナンバーが取れてしまう」
電動キックボードを使う人の交通事故も起きていることから、クリエイティブジャパンは同社が加盟する電動モビリティの業界団体「日本電動モビリティ推進協会」を通した呼び掛けを進めているという。
「中には基準に沿わないブレーキを搭載しているにもかかわらず、クラウドファンディングで数百〜数千万円を集めている例もある。安全性にかかわることなので、周知が必要」
関連記事
- 「公道を走れる電動キックボード」のシェアサービス開始 4月下旬に
Luupが公道を走行できる電動キックボードのシェアリングサービスを4月下旬に始めると発表。渋谷区や世田谷区など都内6エリアで提供する。 - 快適エリアは片道3km圏内 ついに始めた電動キックスクーターのある生活
和歌山発のベンチャーglafit(グラフィット)の電動キックボード「LOM」をついに手に入れた。 - 東京で走り出した電動キックボードシェア「Luup」 思い知った最高時速15kmの現実
公道走行実証実験が東京都でスタートしたのでさっそく体験してきた。 - ナンバープレート替えて自転車になる電動バイク、折りたたみ電動シニアカー 日本の道を行くマイクロモビリティの最新形
自転車の展示会には電動バイク、電動キックボードの新作も出展されていた。 - コロナ禍はシェアサイクルに追い風? 事業者同士“相乗り”の動きも 交通シェアリング事情の今
シェアサイクルの利用者はコロナ禍の影響で減少傾向にあるのでは……と思いきや、実は利用ニーズが高まっている。その一方で、シェアサイクルユーザーなのに“逆風”に立たされる人も。シェアサイクルや電動キックボードの最新動向から交通シェアリングの先を見通す。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.