Google、ChromeでのサードパーティーCookie廃止を2023年まで延期
Googleが、ChromeブラウザでのサードパーティーCookie完全廃止の目標日程を延期した。2023年後半を目標とする。「正しく行うにはエコシステム全体でより多くの時間が必要であることが明らかになった」としている。
米Googleは6月24日(現地時間)、Webブラウザ「Chrome」でのサードパーティーCookieのサポート完全廃止の目標期日を、当初の計画より1年ほど先の2023年後半まで延期すると発表した。
Googleは、プライバシーで問題視されているサードパーティーCookieを廃止し、それでもユーザーに適した広告を表示できるようにするためのイニシアチブ「プライバシーサンドボックス」を推進し、このイニシアチブの下、Cookieの代替案であるFLoC(Federated Learning of Cohorts、群れの連合学習)と呼ぶAPIのテストを小規模に始めている。
同社は公式ブログで「このイニシアチブはかなり進んでいるが、正しく行うにはエコシステム全体でより多くの時間が必要であることが明らかになった」としている。
プライバシーサンドボックスを巡っては、英競争規制当局である競争・市場庁(CMA)が1月、調査を開始すると発表し、Googleは6月11日にこのイニシアチブを正しく推進するためにCMAと協力していくと発表した。
「英CMAと協力していくために、また提供したコミットメントに沿うために、ChromeでのサードパーティーCookieは、2023年半ばから後半までの3カ月で段階的に廃止する見込みだ」とGoogleは説明した。
欧州委員会も22日、Googleの広告事業に関する独禁法調査を開始すると発表し、Googleが競合に対し、Webサイトやアプリでの広告目的でユーザーデータにアクセスすることを制限することで競争を歪めているかどうかを特に調べると語った。
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