「クリエイター支援を社会のテーマに」 note、BASE、UUUMが業界団体 規制緩和や中傷対策を議論
note、UUUM、BASEが、クリエイターの保護を目指す業界団体を設立した。誰でも発信者になれるプラットフォームが増えつつあることを受け、創作活動を妨げる法規制の緩和や、中傷への対策を議論する。
クリエイターコンテンツの配信や販売などを手掛けるnote(東京都港区)、UUUM(同)、BASE(同)は7月8日、クリエイターの保護を目指す業界団体「クリエイターエコノミー協会」を設立した。誰でも発信者になれるプラットフォームが増えつつあることを受け、創作活動を妨げる法規制の緩和や、中傷への対策を議論する。noteの加藤貞顕CEOは「(活動を通して)クリエイターへの支援を社会のテーマにしていきたい」としている。
ココナラの南章行代表取締役会長(左上)、CAMPFIREの篠原陽子執行役員(中央上)、マネーフォワードの田平公伸執行役員(右上)、noteの加藤貞顕CEO(左下)、UUUMの鎌田和樹CEO(中央下)、BASEの鶴岡裕太CEO(右下)、Voicyの緒方憲太郎CEO(右)
3社によれば、コロナ禍による巣ごもり需要の影響で、同社らが提供するプラットフォームへの投稿数は増加傾向にあり、収入を得る人も増えているという。一方でクリエイターへの誹謗中傷や、トラブルへの対策などが課題になりつつあるとしている。
各サービスを利用するクリエイターや自社所属クリエイターに課題を聞いたところ、「SNSの運用知識」「トラブルの予防に必要な法律や権利の知識」「誹謗中傷への対応」などが上位だったという。3社はこうした声を基に、実情に沿ったクリエイター支援の仕組み作りを目指すために業界団体を設立したとしている。
設立時点では理事を務めるnote、UUUM、BASEに加え、CAMPFIRE、マネーフォワード、音声配信サービスを手掛けるVoicy(東京都渋谷区)、クラウドソーシングサイトを運営するココナラ(同)が参加。自民党議員などの協力を受けつつ、著作権法や特定商取引法などを中心に規制緩和に向けた課題の検討などをすでに進めている段階という。
クリエイターの創作活動を活発化させる施策にも取り組む。SNSの運用や事務手続きなど、クリエイターとして収入を得るために必要な知識の発信や勉強会を、企業間で協力して行うとしている。
新たな参加企業も募集しており、加藤CEOは「日本はコンテンツ産業の強い国。協会(に参加する企業)だけでなく、行政とも力を合わせてクリエイターを支援する環境作りを進めていきたい」としている。
関連記事
- 内閣官房IT総合戦略室が公式noteアカウント開設 民間人材やデジタル庁の事業を紹介
内閣官房IT総合戦略室(IT室)がコンテンツ配信サービス「note」で公式アカウントを立ち上げると発表した。デジタル庁の方針である透明性の一環。今後は事業紹介や民間人から採用された職員のインタビューなどを投稿予定。 - ネットで誹謗中傷を受けたらどうしたらいい? 法務省が相談窓口選びのフローチャートを公開
法務省が、ネットで誹謗中傷や名誉毀損などの行為が増えているとして、被害を受けた際の相談窓口の選び方をフローチャートにして公開した。 - 「誹謗中傷ホットライン」設立へ ネット上の被害者や投稿削除に悩むプロパイダの相談に対応
ヤフーやピットクルーなどのネット企業からなる団体・セーファーインターネット協会が、「誹謗中傷ホットライン」を6月中に設立する。ネット上で誹謗中傷を受けた被害者や削除要請への対応に悩むプロパイダからの相談に応じ、適切な投稿削除や任意開示の促進に向けて寄与するとしている。 - note、コメント投稿前に「ひと呼吸いれる」機能を追加 確認画面で誹謗中傷を抑止
noteが、コンテンツ配信サービス「note」にコメントを投稿する際、確認画面を表示する機能を実装した。コメントの前に「ひと呼吸いれる」ことで、一時的な感情に任せた誹謗中傷を減らす狙い。Web版に実装し、スマートフォンアプリには後日追加する。 - NHKが公式noteアカウント立ち上げ 取材過程やノウハウ公開
NHKがコンテンツ配信サービス「note」で公式アカウントを立ち上げ、放送時に使用されなかった取材の裏話や取材方法などを紹介する「NHK取材ノート」を始めると発表した。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.